父親の背中を見て造園業に
平井 ええ。庭師だった私の父は、個人事業主を経て1993年に弊社を創業しました。「ジュースを飲ませてやる」と言われ小学生の頃から現場に連れて行かれることがあった私も、いつしか「継ぐのが当然」と思うようになっていたんです(笑)。それで、京都芸術短期大学ランドスケープデザインコースを卒業して造園会社に就職し、京都御所や修学院離宮などの手入れもしてきました。
原田 大学で造園の理論を学び、名園の施工で着実にキャリアを積んできたわけだ。こちらの見事なお庭が高い技術を物語っていると感じますよ。
平井 ありがとうございます。修業を終えた私は28歳で弊社に入り、父が亡くなった2012年に2代目に就任しました。36歳のときでした。
原田 お父様の背中を見て引き継いだ思いや技術があると思います。
平井 そうですね。父がよく口にしていたのは、「庭師は石を使えて一人前」という言葉でした。庭師は石を加工したり、それを積んだりする作業も多く、庭の骨格をつくるのは石という考えを大事にしていたんです。