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経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

健康寿命延伸を目指す
理学療法士による整体

 

健康寿命の延伸へ本気で取り組むため開業

 
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石黒 病院勤務から独立し、整体院の開業を決意されたのはどういったきっかけがあったのですか?
 
川口 病院でさまざまな症状を抱える患者さんに出会ったことで「なぜその症状が出てしまったのだろう」と考えることが多くなったんです。例えば脳梗塞の後遺症によって体が思うように動かせなくなってしまった場合、そもそもなぜ脳梗塞になってしまったのかを探っていきます。すると、その原因の多くは生活習慣の乱れにあることがわかりまして。ただ、病院におけるリハビリは、すでにまひなどの機能障害が出ている人が対象です。「生活習慣を直しましょう」「食生活を改善しましょう」といった指導よりも、損なわれた身体機能を回復することが当面の目標となります。もちろん、そうしたリハビリも大事です。ただ、健康寿命を延ばすという観点から、病気にならないためのケアに対してより力を入れたいと思うようになったんですよ。
 
石黒 なるほど、体の不調を抱える人だけでなく、そもそも病気や怪我を防ぐためのケアにご尽力されたい気持ちがあったのですね。私も、健康寿命を延ばすべきだというお話にはすごく共感できます。というのも、私の祖母が割と早い段階から車椅子を要する状態になってしまったんですよ。そうなる前にもう少しできることがあったのではないかと後悔しています。なるべく長く自身の力で動けるよう丈夫な体をつくることの大切さを実感しましたね。
 
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川口 現在日本の平均寿命は延びていて、2020年時点では男性が81歳、女性は87歳程度とされています。それに対して健康寿命は70歳から75歳程度といわれているんですよ。せっかく長生きできても、体が元気でなければ余生を楽しめませんよね。なので、寝たきりや車椅子に頼りきりの期間を少しでも減らすべく、健康を目指すお客さんと本気で向き合い、二人三脚で頑張っているところです。病院に勤務していてもアドバイス自体はできるものの、あれこれ言い過ぎるとクレームになりかねず、病院に迷惑をかけてしまうので、独立という選択はベストだったと思っています。