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経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

安全を守る消防用設備
時代に合わせた新提案を

 

細かい規制の中で独自のアイデアを出す

 
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内山 株式会社マツダ商事と株式会社MATSUDAの、実際の事業内容についてもお聞きしたいです。会社としても歴史が長いとうかがっています。
 
松田 ええ。先代の父の時代から続く50年以上の歴史を持つ会社で、消火器の販売からスタートして、現在は消防用設備の設計・施工・点検・販売、すべてを請負っています。
 
内山 規模が拡大したのですね。今のすべてを請負うスタイルになったのは、松田社長が入社されてからですか?
 
松田 はい、消火器を販売するだけでなく、設計から施工、点検まですべての設備を網羅して自社で行うほうが効率も、もたらす利益も良く、また依頼主の方に対しても費用を抑え安価が実現します。「父が基礎と土台をつくり、私が城を建てる」という感覚でしょうか(笑)。亡くなってしまった父とも、よくお酒を飲みながら話したものです。始まりは父が高知県から埼玉県へ出て来て種をまき、それが実になり、今は30人ほどの従業員を抱える企業に成長することができました。
 
内山 それはすごいですね! それだけ人数がいると積極的に新しい事業を展開できそうです。
 
松田 先ほどの武田に影響を受けた話の通り、常にお客様に喜んでいただける提案をしたいと思っています。弊社は消防用設備の業務をメインに請け負っているものの、建物により消防法など法律上の基準が違います。それを理解したうえでアイデアを出さなければなりません。例えば、お得意様である積水ハウスさんが手がけるシャーメゾンは、ホテルライクな上質な住み方を提案する賃貸住宅です。従来の、受信機や総合盤などの自動火災報知設備を必要な場所に設置すると、せっかくのオシャレな雰囲気を崩してしまう可能性があります。しかし、定められている場所に設備を設置するのは当たり前のことなので、そこに疑問点を持つ業者は皆無だったんですよ。そこで私は、オシャレな空間を求めておられる入居者の方々のために、なんとか消防用設備とインテリアが調和できないか考えました。
 
内山 なるほど。例えば、ボクシングの試合で使用するホールなどでもよく見かける火災報知器は、「強く押す」と書かれたボタンが白地に赤く光っています。いざという時に場所がわからないといけないから、確かにすごく目立ちますよね。消防用設備には、「そういうものでなければならない」というイメージがあります。オシャレでかっこよく、建物のイメージを損なわない消防用設備ってどういうものなんだろう?
 
ウッド調で整えられたオシャレな消防設備
ウッド調で整えられたオシャレな消防設備
松田 いかにも消防用設備! という雰囲気を消して、色などを工夫して周囲とバランスが良く、かつ消防用設備として明確でわかりやすいデザインを提案しています。もちろん法律上のルールはクリアしていなくてはいけません。ウッド調のデザインを取り入れた見栄えのいい設備を提案し採用していただき、モデルルームでは評判高く、喜んでいただくことができました。すごく嬉しかったです(笑)。
 
内山 すごい! ありそうでなかった発想ですね! 普通に工事をするより手間暇がかかっていると思います。その分、反響が大きかったのでしょう。松田社長のアイデアがたくさんの人に認められたのだとわかりますよ。
 
松田 ありがとうございます。お客様が新しい試みを積極的に取り入れているのだから、私たちも常に新しい提案ができる業者でありたいです。お客様についていかなければならないんですよ。