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経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

労働環境改善にも挑戦!
ITソリューション企業

 

東日本大震災の復興事業を経験

 
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水野 前職の通信キャリアでは、エンジニアリングだけでなくマネジメントのご経験も積まれた長野社長。いったいどのような業務に従事していたのか、気になります。
 
長野 社内システムの構築などを任されておりましたよ。退職前の最後の仕事になったのは、東日本大震災による津波で流されてしまった携帯基地局の復興作業でした。被災地へ赴き、警察署や消防署といった公的機関の基地局の建て直しに当たっていましたね。ガソリンがないので徒歩や自転車で移動し、地図を頼りに「もともとはこの辺に建設されていたのでは」と目星を付けながら、復興させていきました。
 
水野 震災発生時は首都圏でも携帯電話がつながらなくなり、公衆電話の前に行列ができていたことを覚えています。インフラとしての携帯電話の必要性を痛感しました。そういえば私も震災から半年後くらいに東北へ行く機会がありまして。津波で何もかも流されてしまい、ほぼ何もない状態の海岸沿いの更地に、携帯電話の基地局だけがぽつんぽつんと建っていました。復興の早さに驚くと同時に、それだけ社会にとって必要不可欠なものなのだと、あらためて感じましたね。ちなみに長野社長は何年くらい復興事業に携わったのですか?
 
長野 3年程度でしょうか。復興業務中にはさまざまなご縁ができ、中でもボランティアとして活動していた臨床心理士の大学教授と知り合ったことは、今につながる出会いでした。その教授の影響で心理学のおもしろさに惹かれた私は、働きながら大学で本格的に心理学の勉強を始めたんです。こうしていろいろな経験をしたことで、もっと自分の視野を広げたいという思いが生まれたことも、独立を決意した背景にあります。大学で学んだ心理学は現在、エンジニア採用活動で行うカウンセリングの際に活きていますよ。
 
水野 その際、ITエンジニアの方がどんな思いを抱えていて、どんな仕事に就きたいのかを丁寧にヒアリングしなければなりませんよね。確かに心理学が活かせそうです。
 
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長野 併せて、国家資格であるキャリアコンサルタントの資格も取得しました。そもそも弊社を設立したきっかけの一つには、私自身がフリーランスとして働いてみて待遇や労働環境に限界を感じたことがあるんです。資格と心理学の知識を活かし、同じように悩むエンジニアの働く環境改善に役立てられればと思っています。
 
水野 ITエンジニアは仕事の大変さや拘束時間の割に、待遇があまりいいものではないと耳にしたことがあります。労働環境の悪さで苦しむエンジニアの方々を、カウンセリングを通じて救おうとしている長野社長の、温かいお人柄が感じられますよ。