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経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

野球ボール用皮革を製造 姫路の伝統産業を守る!
株式会社坂谷 代表取締役 入江幸男

 
プロフィール 兵庫県出身。皮革産業に長らく携わっていた義父を手伝おうと、機械関係の仕事から(株)坂谷へ転職。義父から皮革の加工技術を学んだ後に2代目社長に就任し、野球ボールに使われる白いなめし革「姫革」の生産を続けている。現在は野球ボール以外に、姫革を使った名刺入れや財布などの製造も思案中。業界の固定観念にとらわれず、挑戦を続けている。2022年春から入社予定の息子と共に、姫革の新たな展開について模索している。
 
 
 
皮革産業がさかんな兵庫県姫路市で、約70年以上も前から牛皮革生産を続ける株式会社坂谷。同社が製造する白くしっとりとした感触が特徴の「姫革」は、野球ボールに使用され、多くの野球選手を陰から支えてきた。長きにわたり日本球界が誇る高品質のボールづくりに情熱を傾けてきた同社の入江幸男代表取締役は、今後はボール以外の製品にもチャレンジしていきたいと語る。入江社長に、“変革”への思いを聞いた。
 
 
 

分業制で早朝から製造開始!

 
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インタビュアー 濱中治(野球解説者)
濱中 白いなめし革「姫革」を製造する株式会社坂谷さん。兵庫県姫路市を拠点に、1951年から製造を続けているそうですね。何でも姫革が野球ボールに使われているとうかがって、本日は野球に携わる者としてお話を聞けるのを楽しみにしていましたよ。さっそく、姫革がどのような工程でつくられるのか教えていただけますか?
 
入江 毛の付いたままの状態の牛皮を仕入れ、洗浄や薬品による毛の溶解、皮の厚さの調整などを経てから、丁寧になめしていきます。弊社は一連の作業を分業制で行っているため、少しでも早く次の工程に進めるように朝6時から製造を開始しているんですよ。
 
濱中 朝早いなあ。分業制ということは、さまざまな職人さんが携わって一枚の革ができ上がるというわけですか。私たちが当然のように使っているボールは、多くの職人さんのご苦労があって生まれるんですね。ちなみに、どの段階で皮は白くなるのでしょう?
 
入江 なめしの工程で薬品を使うことで、白くなるんですよ。以前は近くの川に皮を浸しておくことで、水中の微生物の働きによって自然に白くなめすことができていたものの、野球が盛んになるにつれ供給が追いつかなくなりましてね。
 
濱中 そうだったんですね。この絶妙な白さを出すにも薬品の量などの調整が不可欠でしょうし、そう思うとあらためて職人さんたちの技術に感服です。日本の野球界を支えてくださって、ありがとうございます!