B+ 仕事を楽しむためのWebマガジン

経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

地域の人々を笑顔にする 川越の本格パティスリー
菓子工房Hiro オーナーシェフ 池田浩也

 
glay-s1top.jpg
インタビュアー 矢部美穂(タレント)
矢部 埼玉県川越市元町の菓子工房Hiro(ヒロ)さんにお邪魔しています。お店に入った途端、良い香り・・・。私は甘いものに目がないので、今日は楽しみにしてきました。カップケーキや焼き菓子、デコレーションケーキなど、いろんな種類のお菓子が並んでいてわくわくしますね。
 
池田 常時20種類以上をご用意し、すべて当工房でつくっています。特に「台湾カステラ」は大人気の品で、他県から買いに来るお客様もおられるほどです。しゅわしゅわととろける食感で、リピーターも多いんですよ。
 
矢部 おいしそう! これだけの種類を全部手づくりとは驚きました。池田代表は、この業界では長いのですか?
 
池田 2022年で18年ほどになります。幼い頃から料理が好きで、よく母の手伝いもしていました。調理師専門学校に通っていた頃、洋菓子店でのインターンに参加しまして、上司の方に気に入っていただき、ちょうど新入社員を募集していたこともあって、そのお店に就職したんです。
 
矢部 上司の方も、池田代表の適性を見抜いていたのかもしれませんね。池田代表にとって、スイーツづくりの魅力は何でしょう。
 
glay-s1top.jpg
池田 繊細な配慮が求められるところでしょうか。一年を通して温度や湿度で生地の仕上がりが変わってくるため、オーブンの基本設定が180℃でも自分の勘で調整します。計量から焼き上がりまで、常に温度帯を気にしないといけません。そういった作業を何シーズンも繰り返し、安定した品質のお菓子を仕上げられるようになります。針に糸を通すような技を突き詰める、技術士としての醍醐味がありますよ。
 
矢部 奥が深いですね。そんな厳しい世界で独立することになった経緯も知りたいです。
 
池田 勤めて5年経ち、チーフになったことが転機でした。それまではお菓子をつくることだけを考えていたのが、売り上げを考えたりお客様の声を取り入れたりとやることが増え、仕事観も変わってきたんです。自分で好きなようにやってみたい気持ちも芽生え、「店を出すなら地元で」と、故郷の川越で開店しました。実は川越は、昔から洋菓子の店が少ない地域なんです。