
インタビュアー 濱中治(野球解説者)
中村 はい。祖父が1950年に創業し、私の父の兄、つまり、伯父が跡を継ぎ、その後、私が3代目となり、8年が過ぎたところです。私は以前、都内の大手メーカーで営業をしていて、伯父から大阪に戻ってきて経営を手伝ってほしいと誘われたのが、弊社に入ったきっかけでした。
濱中 そのお誘いを快く引き受けることができたんですか?
中村 いえ、3ヶ月は悩みました。もちろん、前々から弊社を身近に感じてはいました。小さい頃から当時の社長であった祖父の姿を見てきたし、高校や大学の頃に倉庫でアルバイトもしていましたからね。ですから最終的に「何かの縁なのかもしれない、やってみようと」決意できました。それで大阪に戻ってきたんです。
濱中 伯父上のご子息が後を継ぐことはしなかったのですか?
中村 伯父の子どもは、娘さんばかりなんです。私が男だから白羽の矢が立ったのかもしれません(笑)。入社後は、営業職からスタートし、まずは仕事の実績をつくっていきました。その一方で、伯父の背中を見ながら、経営の勉強も進めていったんです。
濱中 最初は大変でしたでしょう? 経営者を目指すとなると、社員やその家族の生活も肩にかかってきますからね。

濱中 今や後進をサポートできるくらいの立場になったんですね。それでは事業の詳細もうかがっていきましょう。御社では独自でタイルを製造していらっしゃるのですか?
中村 いえ、私どものメインの事業はタイル工事とタイルの販売です。例えば各メーカーさんから仕入れて、私どもの職人さんが現場で貼るんです。