父親の笑顔をきっかけに福祉車両の販売へ

インタビュアー タージン(タレント)
谷本 もともと私はOA機器の営業職をしていまして、その後、1997年、25歳のときに中古車の整備や販売を手がける日本リンクオートを立ち上げて独立したんです。そんなある日、父が脳梗塞で倒れ右半身に後遺症が残ってしまったんですよ。すでに両親と私は別々の家に住んでいたのであまり面倒を見られませんでした。自由に体を動かすことができなくなった父の世話をする母は、大変そうでしたね。
タージン 特に、車の乗り降りは苦労するでしょうね。
谷本 ええ、母は四苦八苦していました。そんな頃に私は仕事でミスをしてしまいましてね。普通の中古車を仕入れたつもりだったのに、よく確認したらシートがせり出してくる福祉車両だったんです(笑)。偶然にもそういう車を手にした私はそれを運転して病院へ行く父を乗せてみることにしたんですよ。すると父が助手席で、「この車ならずいぶん楽だ」と喜んでくれて、私も「また同じ車で迎えに来るよ」と声をかけて別れたんです。
タージン 偶然とはいえ、福祉車両の利便性を知ることができたと。