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経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

鮮魚の買い付けに革命を 
世界に日本の魚を届ける

 

発注・受注・伝票の自動化システムを開発

 
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鶴久 IT業界で働くことを目指してシリコンバレーに渡り、帰国してから築地の仲買人になるとは、実にユニークなご経歴ですね! 実際に仲買を体験して、いかがでしたか?
 
諏訪 築地では、日本の魚市場にも問題があるとわかりました。どういうことかというと、良くも悪くも、日本の仲買人は「マグロだけ」、「カツオとブリだけ」というように、自分が得意な魚しか取り扱いません。良い点は専門性が高いこと。悪い点は、飲食店の方は、毎日1時間も2時間も歩き回って、複数の仲買人からその都度、必要な魚を仕入れなければならないことです。また、仲買の仕事は労働時間も長いんですよ。ただでさえ仲買人は「汚い」「きつい」「危険」「稼げない」「結婚できない」の5Kとも言われ、若者がやりたがらない仕事とされています。私は「このままでは、ますます人材が集まらず市場から活気がなくなってしまう」と考えました。そこで、業界が抱える課題解決のため、そしておいしい魚と食文化の輸出を目的として、「日本の魚を世界のお客様へ」をコンセプトに2017年に弊社を設立したんです。
 
鶴久 実を言うと、私の実家は八百屋を営んでいて、祖母の実家では魚屋を経営していたんですよ。そのため、市場の仕事や魚を扱う業者さんの労働環境の厳しさもよく存じています。ですから、業界を大胆に変革しようという諏訪社長の事業は実に楽しみです! 御社の事業内容を、ぜひ詳しくお聞かせください。
 
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諏訪 弊社は「Fish Collection(フィッシュコレクション)」という屋号で、水産業界のITコンサルティングや仕入れ代行などを手がけています。具体的には飲食店など、お客様の注文に応じて、豊洲市場内の大卸や営業所で魚を仕入れ、梱包や発送を行っているんです。最大の特長は弊社が開発した発注・受注・伝票の発行を自動化するシステムです。このシステムを導入すれば、お客様は新鮮な魚をこれまでよりもスムーズに注文できますし、ペーパーレス化でコスト削減にもつながるので、接客・サービスの向上や新メニューの開発など、飲食店本来の仕事に力を注げるようになるんです。
 
鶴久 それは驚きですね。Guntzさんのシステムがあれば、魚の仕入れに人の手は必要なくなるかもしれませんね!
 
諏訪 とは言え、弊社は業務を完全に自動化する未来を想定しているわけではないんですよ。むしろ私は人とのつながりを大事にするため、あえて仕入れやお客様の対応は人の力で行うことにしているんです。弊社の経営理念は“人を大切にする”こと。何よりも大事なのは人と人とのお付き合いというわけです。