裁判官から企業法務専門の弁護士に転身

インタビュアー 名高達男(俳優)
森 私は東京大学法学部在学中に司法試験に合格し、1993年に卒業とともに修習生になりました。はじめはビジネスに興味があり、資格だけ取ろうと弁護士を目指していたものの、修習中に裁判官になる道を選び、1995~98年まで東京地方裁判所の判事補を務めました。その後、裁判所の留学制度で渡米し、ハーバード大学のロースクールに留学したんです。帰国後は最高裁判所事務総局民事局付として勤務し、その後福岡地方裁判所の判事補を務め、2005年に裁判官を退官しました。それから、弁護士として大手弁護士事務所に所属したのち、今年2019年4月に独立し、当事務所を開設したんです。
名高 最初は弁護士を目指していて、裁判官になったのはなぜなのでしょう?
森 裁判官というと、裁判ばかりしているイメージがありますよね(笑)。私も最初はそう思っていました。しかし、実際は民法や商法などの法令案を作成する法務省の民事局に勤務するケースもあったんです。そういう制度づくりにも興味があった私は、それを聞いて裁判官の仕事にも興味を持ったんです。そして、在任中は倒産法の改正に関する業務に携わりました。