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経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

紙媒体からデジタルまですべてお任せの印刷会社
奥村印刷株式会社 代表取締役社長 奥村直謙

 
プロフィール (おくむら なおかね)大阪府出身。1927年創業の奥村印刷(株)を営む家に生まれる。中学・高校時代はイギリスに留学。その後、岡山理科大学を卒業すると、フォントメーカーでの修業を経て、父が代表を務める奥村印刷に入社する。2013年、3代目社長に就任して現在に至る。自身よりも年長でベテランである社員たちを、社員あっての奧村印刷だと考え、家族のように大切にしている。【ホームページ
 
 
 
大阪、阿倍野の奥村印刷株式会社の3代目経営者、奥村直謙代表取締役社長。得意先第一主義を貫きながら、自社の社員たちに家庭と同じだけの愛情を注ぐ。社員とは気の置けない関係でありながら仕事中に緊張感が損なわれることはなく、何でも言い合えることがミスをなくし、質を向上させる原動力ともなっている。そんな職場環境を醸成した奥村社長に、これまでの歩み、事業の特徴などをうかがった。
 
 
 

印刷業のイロハを身につけて3代目に

 
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インタビュアー 狩野恵輔(野球解説者)
狩野 印刷物の企画・制作・印刷・製本・加工事業を展開する奥村印刷の3代目、奥村社長にお話をうかがいます。まずは家業を継ぐまでの歩みを教えてください。
 
奥村 私は大学を出た後、父親から「外で修業してこい」と言われて、文字の書体(フォント)をつくる会社に就職して2年間勤務しました。父親自身が外での修業を経験せずに家業を継いだので、私にはそうさせたくなかったんだと思います。
 
狩野 なるほど。親心を感じるエピソードです。社会人としての第一歩はいかがでしたか?
 
奥村 その会社の社長とうちの父親は以前からつき合いがあったので、「厳しく育ててくれ」と告げていたのかもしれませんね。おかげさまで社会とはなんぞや、という基本のところをみっちり教わりました。また、印刷業は文字を使う仕事なので、フォントづくりは非常に勉強になりましたし、今に生きています。
 
狩野 将来を見据えた実りある準備期間だったでしょうね。そうした修業時代を経て、20代半ばで家業に入ったわけですか?
 
奥村 はい。社長の息子といってもペーペーのイチ個人からのスタートです。営業職にはじまり、製版、編集、印刷機を稼動させるなど、ひと通りの業務を経験させていただきました。だから、2013年に代表に就任してからも、必要とあればすべての現場業務に対応できます。