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経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

 
プロフィール 神奈川県出身。高校時代、アマチュアレスリングで東京都のチャンピオンになるなど、競技で結果を出す。22歳で競技生活にピリオドを打った後は、レスリング協会役員を務める傍ら、広告会社などで経験を積み、スポーツ協賛をはじめとした広告代理店業などのエージェント活動を開始。本格的に取り組むため、2017年5月にGXsport株式会社を設立した。【ホームページ
 
 
 
スポーツ総合エージェント事業やトレーニングサポート事業・セカンドキャリア支援などを行うGXsport(ジーエックススポルト)株式会社。代表取締役の後藤美行社長は、かつて実績あるアマチュアレスリング選手でありながら、経済的理由で国際大会に出られないなどの苦い経験を強いられた過去を持つ。その経験を踏まえ、「経済的に恵まれないアスリートを応援したい」と設立したのが同社だ。日本のスポーツをビジネスの面から世界規模に引き上げるという夢を掲げる後藤社長に、元サッカー日本代表の三浦淳寛氏がインタビューした。
 
 
 

経済的に恵まれないアスリートを応援したい

 
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インタビュアー 三浦淳寛(サッカー元日本代表)
三浦 後藤社長は昨年2016年にGXsportを設立されて、スポーツチームやアスリートを支援する幅広い事業を展開されているとお聞きしました。もともとご自身も選手だったそうですね?
 
後藤 はい。学生の時から22歳頃まで、レスリングに打ち込んでいました。高校では東京都のチャンピオンになったこともあります。実はその頃の経験が、今の事業を始めた一番の動機とリンクしているんですよ。
 
三浦 といいますと?
 
後藤 お金のないアスリートを応援したい、という思いがあるんです。私は多くの競技大会での成績が評価されて、ある国際大会の代表に選出されたのですが、経済的な理由で断念しなければなりませんでした。当時、競技団体が渡航費や現地での滞在費も負担してくれるのは、世界一を狙えるぐらい断トツに強い人に限られていましたから。
 
三浦 それで諦めなくちゃならないなんて、すごくもったいないですよね。
 
後藤 そうなんです。私だけでなく、同じ理由で貴重な機会を逃す人は少なくありません。レスリングで知り合った青森県の友人などは、高校生だった当時、私よりもはるかに強くて、間違いなく全国一の実力と誰もが認めていたのに、家庭の事情でインターハイも国体も出場を辞退しました。「もうそんな悲劇を繰り返したくない」という気持ちが活動の原動力になっています。