スポーツ指導を通じて
諦めない心を育む幼児園
信頼は小さな言葉の積み重ね

菊池 内向きではなく、外向きでいてくださいと伝えています。一般的な会社でいえば、社長の目ばかり気にするのではなく、お客様のためにするべきことを考えて仕事をしてください、ということです。
石黒 つまり、子どもと保護者のために行動しようというわけですね。
菊池 そうです。例えば、先ほどのマラソンでも、完走という目標を達成するためなら何をしてもいいってことじゃないんです。完走はあくまで子どもたちの目標であって、私たちの目標ではない。私たちの目標は、いかに子どもたちが完走できるようにするか、なんです。
石黒 いかに子どもたちのモチベーションを上げるか、そのために何をすべきか考えることが、先生の役割なんですね。
菊池 だから、頑張ってもらうために取った行動でも、園児がその気にならなければ、それは失敗なんですよ。だから、「バディの先生としてではなく、1人の大人として子どもたちに接してください。叱るのも、ほめるために叱ってください」と話していますね。
石黒 ほめるために叱る。これも、やる気アップにつなげるための行為だし、何より子どもとの間に「もっとほめたい、ほめられたい」と、信頼関係が生まれそうです。
菊池 はい。小さく弱い言葉でも、積み重ね続けていると、子どもとの間に厚い信頼関係を育めるもの。その信頼関係が、言葉の力をさらに厚くしていくんですよ。
石黒 信頼関係でいえば、保護者との関係性も重要ですよね。

石黒 幼稚園に通い出すと、親が知らない間に子どもが成長していることがあります。そうやってコミュニケーションがオープンな園だと、子どもの様子をつぶさに把握できるので、親としてはありがたいですね。