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経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

 
プロフィール 名古屋市出身。学生時代は情報工学を専攻してコンピューターやITの知識を高めた。大学院を卒業後、国土地理院に情報技術者として入省。測量士の資格も取得する。以来18年間にわたり、ITの知識を駆使しつつ、測量士としての経験と技術を磨いた。東日本大震災をきっかけに、独立を決意。2014年7月にかなめ測量(株)を設立した。【ホームページ
 
 
 
茨城県つくば市で土地の測量を手がける、かなめ測量株式会社。代表取締役の髙島和宏氏は、国土地理院に18年間勤めた後に独立した。東日本大震災後に生じた土地の境界をめぐる混乱を目にし、「大切な財産を守る仕事に半生を捧げたいと考えたのがきっかけ」と語る。ITの技術者として最新のハイテク機器を導入するいっぽうで、業界に不足する若手の人材育成にも汗を流す髙島氏。その全ては「測量の仕事が好き」という情熱に由来しているのだ。
 
 
 

国土地理院に18年間勤務

 
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インタビュアー 駒田徳広(野球解説者)
駒田 測量や土地家屋調査を手がける、かなめ測量さん。髙島社長のご経歴から教えてください。
 
髙島 私は学生時代、情報工学を専攻していたのでコンピューターに詳しかったんです。それで、大学院を卒業後は国土地理院に入省しました。通常、測量の仕事は土木学科出身者を採用するんですが、その当時は情報技術者を1名だけ募集していまして、その枠で採用されました。そして、2014年にこの会社を起業するまでの18年間、そちらで働いていたんです。
 
駒田 それでは、国土地理院で国家公務員として働いていた頃は、どんなお仕事を?
 
髙島 主に携わっていたのは、つくば市内にある「つくばVLBI観測局」という、巨大なパラボラアンテナの建設と観測です。簡単に言うと、数十億光年離れた星からの電波を受信し、わずかな到達時間の差から日本の位置や形、日本と世界の国々との距離を精密に測る仕事ですね。
 
駒田 ずいぶん難しいことをされてたんだなぁ。スケールが違いますよ(笑)。
 
髙島 測量士や土地家屋調査士というと、普通は身近な土地を測るのが仕事ですよね。でも私の場合、ものすごく遠い距離の測量からスタートしたので、結構珍しい経歴かもしれないです(笑)。実は独立のきっかけになったのは、東日本大震災なんですよ。