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経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

自動車整備・販売のプロ
当たり前のサービス継続

 

「自分は特別じゃない」からできること探す

 
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店頭に並ぶ車を見て長澤さんも 「ワクワクします!」
長澤 先程、旅行業と車の仕事は違うとは言いましたけど、「楽しさを売る」 という点では共通するものがありますね。車は道具である以前に、乗ること自体がすごく楽しいですから。
 
笹本 その通りだと思います。旅行代理店で毎日働き詰めの時でも、愛車を駆ってドライブしたり、給料をつぎこんで手を加えたりする楽しさは忘れたことがありませんでした。入社したのはドイツの高級車を扱う正規ディーラーで、お客様の年齢層が高めなこともあって、求人の要件には 「25歳以上」 とあったのですが、当時の私は24歳。それを 「先に生まれた人にだって負けません」 と猛アピールし、何とか採用してもらったんです。
 
長澤 素晴らしい熱意です。それにしても、高級車を販売する現場って、実際どんな感じなんでしょう。興味があります。
 
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笹本 もちろん、キレイなショールームで美しくディスプレイしてある車をご覧いただいてご購入いただくという基本はあります。ただ私が振り返ってみると、極端な例ですがデパートの外商部とちょっと似ているところがありましたね。私が担当させていただいていたお客様の場合、お客様の4分の1くらいの方は、ショールームに一度もいらっしゃったことがないんです。だから、お客様のところへこちらから出向いてどんな車がお望みかをじっくりうかがい、商談をまとめることになります。「では、このタイプの黒に決めたから、届けてください」 「承知いたしました」 という感じです。まぁ、そんなに簡単ではありませんでしたが(笑)。
 
長澤 なるほど。ということは、営業の方個人がよほど信頼されていないと、お客様にお会いすることもできませんね。
 
笹本 はい、お客様に 「あいつを呼べば大丈夫」 と思っていただけるかどうかが重要なのでしょうね。そうでないと、大切なお客様の知人ご友人をご紹介いただくこともできないと思います。もっとも、私には人に自慢できるようなズバ抜けた能力などはありません。だから、お客様に対しては、できる範囲のサービスをきちんと、継続して行うよう心がけ、さらに自分がその時できるプラスワンのサービスが何かできないか考えて行動しておりました。それは16年勤めたディーラーを辞めて、独立した今も変わりませんね。
 
長澤 笹本社長はとても謙虚ですね。そういう地道な努力の積み重ねが、お客様に「またあの人にお願いしたい」と思われる理由なのではないでしょうか。
 
笹本 そうかもしれませんね(笑)。お客様を引き留めたいからといって無理すると、後が続かなくなりますから。自分は特別な存在じゃないのだから、せめてお客様のためになることをしよう、少しでもお客様が喜ぶことをしようと常に考えてきました。