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経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

生活や経済を陰で支える
システム開発は「山登り」

 

ATMはじめ生活や経済を陰で支える

 
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片山 数理システムというのは?
 
松浦 生命保険会社の保険料や責任準備金、解約返戻金などを絶えずシミュレートする重要な領域です。生命保険そのものを形づくっていると言えるでしょう。それは特殊な例として、当社の業務で身近な例を挙げれば、ATMから入出金や送金のシステムもつくっています。
 
片山 つまり、私たちは知らず知らずのうちに松浦社長と関わっているんですね。
 
松浦 そうなります。ミスが許されない仕事だと話したのは、そういった状況下にある仕事だからです。もしシステムがダウンして1日入出金ができない状況になると、市民生活に多大な影響を与えてしまう。また、本来は今日付で決済しないといけないのにできないとなると、企業活動や経済にも影響を及ぼすでしょう。
 
片山 倒産する会社だって現れるかもしれませんね。ATMが安心して使えるのは御社のような企業のおかげでもあるのですね。
 
松浦 バグというのはたった1行、1コードのエラーですが、それを探すため、通常カットオーバーまでに何年もかけてテストを行うんです。それでも想定外のバグが時に生じるんですよ。
 
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片山 プログラムには何百万、何千万というコードや文字が並んでいるわけでしょう? その中からエラーを探し出すのは、砂漠で針を探し出すような話だなぁ。
 
松浦 通常、業務システムというのは単体のプログラムが何千本と走っています。単体テストでは問題がなかったものが、統合テストでエラーが生じる場合もある。また、統合テストでうまくいっても、クライアントのサブシステムに導入したら不具合が生じたというケースも。でも最近のエラーは、主に銀行等の統合によって起こる場合が多いんですよ。
 
片山 それぞれの銀行ではうまく機能していたのに、統合したことによってコンフリクトを起してしまう。
 
松浦 そうです。A銀行で使っていた特殊コードがB銀行のシステムで読めなかったり、別の意味を表していたり。1つのアクシデントは300以上のインシデントに基づいていると言いますが、いかにそれを未然に防ぐかが重要になってきます。