振付師としての仕事を始めた当初は、3小節の振り付けを考えるのにも悩み抜き、1日を費やしていたというパパイヤ鈴木さん。家でメモ帳を片手に考えるのではなく、スタジオで衣装に着替えてつくるスタイルに変えてからは、それが一変したと教えてくれた。
ゼロから1にすることが自身の役割
僕は自分自身の役割を「ゼロから1にすること」だと思っています。ゼロというのは、ダンスに興味を持っていなかったり、苦手意識を持っていたりする状態のこと。そこから、「楽しそうだから挑戦してみようかな」と思ってもらうことが僕の仕事なんです。
でも、「楽しそう」と思ってもらうのは、なかなか難しい。僕は振付師の仕事を始めたとき、辛かったんです。「これでいいのかな」と不安になって胃が痛い毎日でした。“産みの苦しみ”とは言いますが、悩み抜いてつくったものって、なんだか負の感情が詰まっている気がして(笑)。
ダンスは本来、楽しいものなんですよね。楽しいから、踊るんです。そういうものを提供するなら、まずは自分が楽しんでつくらないとダメだと考え直しました。それからは、振り付けを考えるスタイルから変えて、仲間と楽しくつくり上げるように意識しています。
今は楽しんで振り付けを考えていますよ。これからも、多くの人がダンスに興味を持ち、挑戦してくれるように“楽しいダンス”を提供していきたいですね。
<インタビュー・文 中野夢菜/写真 Nori/ヘアメイク JUNKO Nishio/スタイリスト 宮本真由美>
衣装/Bucca44 03-5725-0445
(取材:2018年6月)