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経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

弱さを持ち寄り
垣根を越えてつながる

 

同じ釜の飯で絆を育み、今日一日を生きる

 
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狩野 それでは、就労継続支援B型事業所サフランと、生活介護事業所きらめきの事業内容を教えていただけますか。
 
下郡(竜) サフランでは、地域向けのお弁当づくりに取り組んでいます。調理や配達、献立表の作成、データ管理など、さまざまな仕事を目的に応じて行っていただけます。きらめきでは、サロンを中心にいろいろなプログラムに参加し、ご自分のペースで心身を充実させられます。基本の活動は、お食事会です。サフランの栄養士が手がけるバランスの良い食事を楽しめるほか、みんなで昼食づくりを行うこともあります。
 
狩野 楽しそう! お話を聞いていると、“食”がテーマになっている気がしました。
 
下郡(知) おっしゃる通りです。実は、「何はともあれ腹ごしらえ」が私たちの合言葉なんです。深刻な表情で相談に来られる方にもあたたかいお茶とお菓子を出して、ほっと和んだところからお話を始めています。
 
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下郡(竜) 生活費が困窮してくると、最初に削るのがみなさん食費なんです。以前、「ひとりぼっちで食べると何を食べても砂の味がする」とおっしゃる方もいました。でもホットプレートパーティなど、みんなでいろんなご飯を食べるうちにメンバーさんの表情がどんどん明るくなり、「こんなものが食べたい」という明日への活力が湧いてくるんです。
 
狩野 生きていく意欲にもつながっていくわけだ。それがお二人のやりがいにもなっているんでしょうね。
 
下郡(知) そうですね。現在、新たに「ほたるプロジェクト基金」という活動を始動しています。現在モータープールになっている亡父生家跡地の利益を原資に、応援してくださる方々からの寄付も合わせて活用し、無料の食事提供やアートを通じた地域交流、障がいの啓発活動を行う取り組みです。地域医療に専念した父が「同じ釜の飯をともにすること」や「芸術で心を豊かにすること」を大切にしていた思いを継ぎ、始動しました。私自身、地域福祉に専念する中で自分自身と出会い、強がりの鎧を脱ぎ、等身大で生きられるようになりました。振り返れば、メンバーさんから学ぶことばかりだったと感じます。
 
下郡(竜) 今後はアート展などを開催して地域と交流し、メンバーさんたちの可能性を発信していきたいです。みんなが自由に過ごせる社会を、引き続き追求していきます!
 
狩野 支援する側、される側の関係を超えた人としてのつながりを何よりも大事にされているんですね。「この社会を変えたい」というお二人の思いが地域に根差し、さらに発展していくことを心から願っています!
 
 
 
「仕事を楽しむ」とは‥
ずっと地域づくりをテーマに働いてきました。強さだけつながることのできる関係性ではなく弱さをきずなに、メンバーさんや地域の方々と誰もが安心して暮らせる地域をつくっていくこと。そして何よりも同じ熱量と価値をもつ仲間たちとともに仕事ができることは、今の私にとって仕事を楽しむ原動力になっています。
(下郡竜太郎)
 
 :: 会社概要 :: 
  ■ 社名 株式会社ランドネ
■ 就労継続支援B型事業所 サフラン 〒565-0875 大阪府吹田市青山台2-1-9
■ 生活介護事業所 きらめき 〒565-0832 大阪府吹田市五月が丘南9-10 ブールヴァール五月が丘101
■ 事業内容 就労継続支援B型事業所/生活介護事業所
■ 設立 2025年4月
■ 従業員数 15名
■ ホームページ https://randonnee.co.jp/