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経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

弱さを持ち寄り 垣根を越えてつながる
株式会社ランドネ 代表取締役 下郡竜太郎

 
プロフィール 大阪府出身。関西学院大学英文科専攻。卒業後は障がい者福祉の世界に飛び込み、精神障がい者支援に携わる。公私ともにパートナーとして支え合ってきた妻や同じ志で働いていた後輩たちと、2025年4月に(株)ランドネを設立した。就労継続支援B型事業所「サフラン」と生活介護事業所「きらめき」を運営。地域に根ざした活動とともに自身が積み重ねてきた音楽活動の経験を活かし、アートや音楽を通じた支援には特に力を注いでいる。
 
 
 
四半世紀にわたり精神障がい者支援に携わったのち、株式会社ランドネを設立した下郡竜太郎代表取締役。「何はともあれ腹ごしらえ」をモットーにした食事の無料提供、音楽やアートを通じた表現活動などを通して、障がいや病気・子どもの有無・性別や国籍の垣根を越え、誰もがそれぞれの幸せを追求できる社会づくりに取り組んでいる。長年支援事業を続けてきたお二人の福祉現場への思い、そして今後の展望についてうかがった。
 
 
 

福祉の道における、夫婦の出会い

 
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インタビュアー 狩野恵輔(野球解説者)
狩野 就労継続支援B型事業所サフランと生活介護事業所きらめきを運営されている、株式会社ランドネさん。下郡社長と取締役でパートナーの知子さんにお話をうかがいます。まずは、お二人の歩みを教えてください。
 
下郡(竜) 若い頃からマイノリティの方との出会いが多く、何か力になれる仕事をしたいと考えていました。情熱一つで業界に飛び込み、現場で学ばせていただきながら26年になります。最初の面接官は妻だったんですよ(笑)。
 
下郡(知) 実習中に、スタッフや利用者の方(以下、メンバーさん)たちから「良い人だからぜひ入れてほしい」という要望があり夫を採用しました。私自身は、もともと小学校や幼稚園の先生を目指していたものの、悩みを抱えた子たちが卒業後どうなっていくのかが気になり、行き着いたのが、精神障がいをもつ方々との出会いでした。出会いから31年になります。
 
狩野 下郡社長が福祉業界に入られた当初からともに歩み、福祉への思いを分かち合いながら二人三脚で事業を築いてこられたのですね。