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経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

家族と社員を思う 安心と信頼の金型づくり
有限会社鶴田金型製作所 代表取締役 鶴田謙一

 
プロフィール 大阪府出身。父が創業した(有)鶴田金型製作所で仕事を手伝いながら、最新機器を駆使した金型製作について学ぶ。父が急逝したことから、2代目を継いだ。精密鍛造用金型の設計・製造を手がけ、他社では不可能な金型の製作も自社で完結。短納期・低価格で提供している。従業員の働きやすい環境づくりにも注力し、直近40年間の離職率は0%。次期3代目となる息子の龍一専務と共にこの仕事に向き合っている。
 
 
 
大阪市淀川区で創業から半世紀を超える有限会社鶴田金型製作所。2代目の鶴田謙一代表取締役は、常に挑戦を続けた父の精神を受け継ぎ、社員や取引先との信頼関係を大切にしながら歩んできた。高速直彫り加工など新たな技術に挑む一方で、残業のない働きやすい環境を整え、離職率0%を継続。未来を担う息子・龍一専務との親子二人三脚は、人を思う温かい経営の象徴として大阪のものづくりに希望を灯している。
 
 
 

近畿初の3次元CAD/CAMなどを導入

 
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インタビュアー 濱中治(野球解説者)
濱中 大阪市淀川区の有限会社鶴田金型製作所さん。お話をうかがうのは鶴田社長とご子息の龍一専務です。さっそく会社の沿革を教えていただけますか。
 
鶴田(謙) 弊社は1972年に私の父が設立しました。鍛造用金型業界では近畿で初めて3次元CAD/CAMを導入するなど最新の機器を駆使した金型製作が業務で、その礎を築いたのは父なんですよ。父はある時期から「もうコンピューターの時代だ」と言い始めましてね。すでに仕事を手伝っていた私に「この機械を買うから使い方を習ってきなさい」と命じたんです。値段がマンション二部屋分もするので、払えなくなったらどうするんだと私は心配になりました(笑)。
 
濱中 それでもお父様は、ひるむことなく設備投資を続けたわけですね。
 
鶴田(謙) ええ。私は操作の仕方を覚えるのに必死でした(笑)。ただ、金型を発注してくださるお取引先の期待は高く、同業者も含め、見学しに来る方がたくさんいらっしゃいまして。商社やメーカーさんも熱心にサポートしてくださり、弊社の取り組みは話題になって業績も大きく伸びました。
 
濱中 お父様の柔軟な思考や高い決断力と、鶴田社長の努力が実を結んだ結果ですね。