近江牛の生産から販売まで手がける老舗牧場

インタビュアー 亀山つとむ(野球解説者)
中川 もともとこのあたりは豊かな農地で、牛は田んぼを耕すために欠かせない身近な動物でした。また、水がきれいな近江は肉質のよい牛が育つため、江戸時代から屠畜が認められ、その肉が全国に流通していたんですよ。中川畜産の初代は明和年間に農家から牛の問屋に転身し、明治時代になると牛鍋が盛んになり、4代目が畜産を始め現在の基礎を築きました。屋号を中川畜産にあらためたのは私の父で、牛舎を建て、事業の近代化を進めました。
亀山 まさに近江牛を全国に広めた立役者・・・それが中川畜産さんというわけですね。
中川 おっしゃる通りです。牛がいるのが当たり前の環境で育った私も、幼稚園の頃から帰宅後はすぐ牛舎に駆け込んで世話をするほど牛が好きでして。しかも、丑年の29日というこの仕事が天職のような星の下に生まれました(笑)。なるべくして8代目となり、現在は近江牛の繁殖・飼育・加工・精肉販売をワンストップで展開しています。確かな畜産ノウハウと、江戸時代から続く老舗牧場ならではの管理保障体制で信頼の歴史を紡いでいるんです。