B+ 仕事を楽しむためのWebマガジン

経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

250年の歴史を誇る 近江牛の老舗牧場!
中川畜産 代表 中川晶成

 
プロフィール 滋賀県出身。江戸は明和から続く近江牛の老舗・中川畜産の跡取りとして生まれる。幼い頃から牛に親しんで育ち、自然と家業へ意識が向かった。近江肉牛協会設立者でありブランドの立役者である祖父や事業の現代化に取り組んだ父に続き、8代目に就任。田尻毛の但馬牛の系統にこだわり、近江牛の繁殖・飼育・加工・精肉販売を手がけるほか後進の育成にも力を注ぐ。近江肉牛協会の副会長も務める。
 
 
 
江戸・明和年間から続く近江牛の牧場――それが滋賀県東近江の中川畜産だ。8代目として切り盛りするのは、中川晶成代表。素牛となる但馬牛の中から特に名牛の血統を受け継ぐ田尻毛の仔牛を厳選し、良質な地下水で育てた中川畜産の牛は、臭みがなく噛めば噛むほど甘みが出る極上の味わいで近江牛の名を轟かせている。自慢の牛刺しを口にした野球解説者の亀山つとむ氏も「これは最高の贅沢だ」と満面の笑みを浮かべていた。
 
 
 

近江牛の生産から販売まで手がける老舗牧場

 
glay-s1top.jpg
インタビュアー 亀山つとむ(野球解説者)
亀山 滋賀県東近江市で近江牛の生産・販売を手がける中川畜産さん。長い歴史をお持ちだそうですね。さっそく事業の歩みをお聞かせください。
 
中川 もともとこのあたりは豊かな農地で、牛は田んぼを耕すために欠かせない身近な動物でした。また、水がきれいな近江は肉質のよい牛が育つため、江戸時代から屠畜が認められ、その肉が全国に流通していたんですよ。中川畜産の初代は明和年間に農家から牛の問屋に転身し、明治時代になると牛鍋が盛んになり、4代目が畜産を始め現在の基礎を築きました。屋号を中川畜産にあらためたのは私の父で、牛舎を建て、事業の近代化を進めました。
 
亀山 まさに近江牛を全国に広めた立役者・・・それが中川畜産さんというわけですね。
 
中川 おっしゃる通りです。牛がいるのが当たり前の環境で育った私も、幼稚園の頃から帰宅後はすぐ牛舎に駆け込んで世話をするほど牛が好きでして。しかも、丑年の29日というこの仕事が天職のような星の下に生まれました(笑)。なるべくして8代目となり、現在は近江牛の繁殖・飼育・加工・精肉販売をワンストップで展開しています。確かな畜産ノウハウと、江戸時代から続く老舗牧場ならではの管理保障体制で信頼の歴史を紡いでいるんです。