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経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

書の基本に徹したうえで 新たな可能性を探る教室
寿・谷口書道会 主宰 谷口峰仙

 
プロフィール 京都府出身。小学1年生の頃から書道を始め、恩師の岩崎壽石氏に42年あまり師事。1995年に寿・谷口書道会を創設し、現在は約90名の生徒の指導にあたっている。伝統的な書法を基礎としながら、キャンバス地やアクリル板など多様な素材で表現する現代的な書道も追求。SNSでの発信や海外展示会への出展、ZOOMを活用した遠隔指導も行い、書道の可能性を国内外に発信している。
 
 
 
小学1年生から42年にわたり、一人の師に学び続けた谷口峰仙氏。師の思いを引き継ぐ教室、寿・谷口書道会を主宰し、100人近くの生徒を教えている。老若男女を問わず多くの生徒から慕われる理由は、書に対する姿勢にあるのだろう。書く人によって、また気分によっても、字は変化する。すなわち「本人にしか書けない芸術」であるという。毎日のSNS投稿や海外展示会への出品など、書道の魅力発信にも積極的な谷口氏に話をうかがった。
 
 
 

恩師の思いを受け継いだ、書道教室

 
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インタビュアー 今岡真訪(野球解説者)
今岡 京都市にある寿・谷口書道会で書の指導を行っておられる主宰の谷口先生。国内外で活躍の場を広げるなど、書道の新たな可能性を追求し続けているとも聞いています。まず、谷口先生が書道を始めたきっかけから教えてください。
 
谷口 幼い頃、私は落ち着きのない子どもでして。礼儀作法と冷静さを身に付けるため家の近くにあった書道教室に通い始めたのが、書との出合いです。小学1年生の折から岩崎壽石先生にご指導いただき、逝去されるまで半世紀ほど師事していました。
 
今岡 半世紀も! 谷口先生にとって岩崎先生は、かけがえのない存在なのですね。
 
谷口 はい。岩崎先生は私自身のペースに合わせて臨機応変に対応してくださる方で、留学先から書いたものを送ると細かく添削して郵送で返してくださったこともありました。先生から学んだのは、何事も基本が大事だということ。その教えを受け継いで1995年に当教室を開いたのです。その際、先生の教室名である“寿”も継がせていただきました。
 
今岡 恩師の方から受け継いだ教えを、今度は谷口先生が次世代へと伝えておられるのですね。