インタビュアー 濱中治（野球解説者）
大原 宝石のほとんどは地球の内側から産出された鉱物です。採掘地によって地殻の温度なども異なり、生成される過程での変化も異なります。また自然のものですから不純物が含まれるんです。例えばエメラルド、サファイアやルビーなどの裏側から光を当て、透かして層を順に見ていくと、産地によって内包されている物の感じはまったく異なっているんですよ。
濱中 なるほど。査定をする際には、かなり専門的な知識が求められそうですね。
大原 もちろん知識も必要になります。加えて私は、とにかく宝石を多く観ることで、鑑定眼を養うことに努めてきました。何万点と宝石を観てきた経験が目利き、査定への自信につながっています。今も月に数回は必ず、宝石市に通っているんです。
濱中 その向上心に脱帽します。宝石は本当に奥の深い世界ですね。大原代表が宝石に興味を持たれたきっかけが気になります。前職も宝石関係のお仕事だったのでしょうか。
大原 もともとは電機メーカーに勤務し社内やグループ会社の生産設備を設計製作、最終的には設備の責任者を担っていました。その後機械設計エンジニアとして独立したんです。
濱中 えっ！ まったく違うお仕事に就かれていたんですね。驚きました。
大原 ただ、設計と物のデザインには通じる部分があると思っています。エンジニアとして長年ものづくりに携わってきたので、宝石やブランド品、精密機器である時計やカメラなどのつくり込み方が手に取るようにわかるんです。
大原代表に変化と成長を与えた書籍の数々
大原 当店にはブランド品のバッグ・靴などをお持ち込みされる方もいらっしゃいます。高級品も多く、つくりもしっかりしている物が多いです。ただ長い間使わずに保管されていると、カビが発生している場合も少なくありません。革製品をご自宅でメンテナンスするのはなかなか難しいですから、クリーニングも承ります。買い取りが難しい商品でも、クリーニングによって新たな価値を見いだされる方もおられますね。「ご自身でお使いにならなくても、娘さんやお孫さんなどに代々、きれいな形で継承していくのも素敵ですよ」とご提案することもあります。
