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経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

ぶどうづくりを突き詰め
米・野菜も栽培法に工夫

 

農業は毎年違った結果が出るからおもしろい

 
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亀山 現在はぶどうとお米をメインに、野菜づくりにも挑戦なさっているとか。ぶどうの品種はどれぐらいの数あるのでしょう?
 
竹本 シャインマスカット、ニューピオーネなど、15品種ほどでしょうか。つくってみて合わないと判断したらすぐに新しい品種に植え替えているので、これまで手がけた正確な数はよくわかりません(笑)。ぶどうに関しては、市場への出荷はほとんどしていません。大半は個人販売で、ネットを介したリピーターさんが中心です。
 
亀山 すごく今の時代らしいスタイルですね。扱う品種が増えてくると、大量につくって売るよりも、個人への直売のほうが合っているでしょうし。
 
竹本 そうですね。いろんなぶどうを食べてもらいたいという理由もありますし、お客様にとっても品種がズラリと並んでいたほうが選ぶ楽しみがあるでしょうから。
 
亀山 たしかにその通りですね。ちなみに、栽培のノウハウはお父様から学ばれた部分が大きいのでしょうか。
 
竹本 ええ、最初は特にそうでした。40歳を過ぎて始めるからには覚悟を決めて本気で取り組まなくてはなりませんから、2、3年の間は一つ作業をするたびにメモを取り、とにかく必死でしたね。ぶどうの有機栽培はもともと父が行っていたんです。ぶどうの栽培は農業大学校の社会人コースにも通いましたし、有機栽培については、たくさん勉強会に参加しました。
 
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亀山 学校にも通われたとは、覚悟が伝わりますよ。それにしても、農業に対して素質があったのか、割りとすんなり適応なさった印象です。
 
竹本 どうなんでしょう(笑)。私は理系の人間で、科学的に突き詰めて考えるのが好きなタイプです。いろいろな方法を試して、毎年違った結果が出るのを「なぜなんだろう」と考え、次に生かして挑戦していくのが農業のおもしろさだと感じています。
 
亀山 ロジカルに正解を探す楽しさが農業にはあるんですね。やはり、竹本社長にぴったりじゃないですか!
 
竹本 そうかもしれません。BLOF(バイオロジカルファーミング)理論という有機栽培に関する理論と出合って、土壌環境から植物が元気に育つしくみを学んでいくうちに、理系の私の中ですとんと腹に落ちる感じがあったんです。それで余計にやる気が出て、楽しくなりましたね。