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経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

茨城レンコンを宇宙に! 若手農家チームが描く夢
合同会社HAS-LAB 代表社員 寺嶋祐哉

 
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インタビュアー 宍戸開(俳優)
宍戸 茨城県土浦市でレンコンの加工販売・商品開発を手がける合同会社HAS-LAB(ハスラボ)さんは、レンコン農家を営む30歳前後の仲間が集い、起業されたそうですね。デニムのつなぎを格好よく着こなしている、寺嶋代表にお話をうかがいます。茨城県は、日本一のレンコンの産地なんですよね。
 
寺嶋 ええ、中でも土浦市は霞ヶ浦エリアの恵まれた立地を生かした一大産地なんですよ。私自身、祖父母がレンコン農家を営んでいたこともあり、常に身近な存在でした。私を含め、幼なじみである弊社のメンバーは5人全員、美しい蓮の花を見て育ち、冬は凍った蓮田でスケートをして遊んだこともあるんです。
 
宍戸 皆さんにとってレンコンは常に身近にあるもので、思い入れの深い食材だったんですね。
 
寺嶋 はい。しかし少子高齢化の影響もあり、レンコン農家の数は今後かなり減少して行くと思います。だからこそ、若い世代がもっとレンコンのよさを広めていかなくてはならないと思い、稼業を継いだんです。ただ、栽培に携わっていくうちに、生産量日本一の茨城レンコンの存在が全国どころか隣県にすらそれほど知られていないことを実感しました。
 
宍戸 レンコンは食物繊維が豊富で、ビタミンCやカリウムなども含まれ栄養もたっぷりだから、私も大好きな野菜です。ただ、調理法が限られてしまう印象なので、購入を考えてしまう人もいるでしょうね。残念ながら茨城レンコンというブランドを知る人が少ないというのも、わかる気がします。
 
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寺嶋 そうなんです。そういう背景もあって、生産者の立場としては、レンコンが日常的に消費されるものではないことを歯がゆく感じていました。それで何とか皆さんにレンコンを蓮根ではない形で日常に落とし込んでいただけないかと研究を重ねた結果、レンコンを粉末にした「レンコンパウダーHASKO(ハスコ)」や、そのパウダーを利用した「レンコンに美容成分を配合したサプリLOTS(ロトス)」などを開発しました。レンコンをパウダーにしたことで、規格外で廃棄されていた食材の再利用にも一役買っていますし、消費期限も延びました。また、パンやスイーツの原料として混ぜて使えるのも利点です。その他にも、レンコンを利用した美容サプリ、エナジーサプリ、チップス、基礎化粧品の開発も行っています。
 
宍戸 粉末ならパスタやピザ生地など、どんな食材にも応用が効きそうですね。