
1.財産の分け方に特化した相続コンサルティング
当社では、財産の分け方に特化した相続コンサルティングを行っています。私たちが目指すのは、「相続で家族をもめさせない」「相続で優良財産を減らさない」「子や孫を将来お金で困らせない」という3点です。相続対策というと、節税や遺言書の作成を思い浮かべる方が多いでしょう。しかし、節税を行い、遺言書を用意しただけで、家族の争いを防げるとは限りません。そこで、受け取る方の将来への不安、引き継ぐ財産の中身、納税資金までを一体で捉え、ご家族に合った分け方を考えています。
その際に活用するのが、当社が開発し、特許を取得した相続計画プランニングシステム「SIPS」です。税務や財産価値、受け取る方のライフプランを分析し、財産の分け方によって相続税の負担や各世帯の収支がどう変わるのか、納税資金に不足がないかをシミュレーションします。
こうした相続の考え方と支援の仕組みを全国へ広げるため、一般社団法人全国幸せ相続計画ネットワークとしても活動しています。同法人は、私たちの理念に賛同する各地の税理士や司法書士の方々などとともに、もめない相続を支援する団体です。定期的にセミナーも開き、家族の将来まで見据えた相続の考え方を伝えています。
2.身内の相続トラブルが事業の原点に
きっかけは、祖母が亡くなった際、親族が財産の分け方でもめたことです。遺言書があり、相続税対策もしていたため、私は大丈夫だと思っていました。それでも、分け方をめぐって争いが起きてしまったんです。
私は専門学校を卒業後、金融業界に入り、銀行の子会社や証券会社などに勤めました。その後は不動産業界に進み、大手アパートメーカーや沖縄県内のデベロッパーを経て、最後は琉球イオンの開発本部で出店計画に携わったんです。金融や不動産の仕事では、税理士の先生と連携し、保険や不動産を活用した相続税対策に携わっていました。当時は、いわゆる“相続対策のプロ”として商品を提案する立場にあり、節税や相続の知識も一通り持っているつもりだったんです。それでも、身内の問題を防ぐことはできませんでした。この経験から、それまでの相続対策を見直す必要があると感じ、財産の分け方に特化したこの会社を2010年4月に立ち上げました。
3.相続を“サイクル”として捉える
相続税の節税に主眼を置く対策が、まだ多いと感じます。しかし、家族をもめさせないためには、3つの課題を一緒に考えなければなりません。
1つ目は、財産を受け取る方が抱く、将来のお金への漠然とした不安です。老後資金や子どもの教育費など、必要なお金は人によって異なります。将来の見通しが立たなければ、「少しでも良い財産を多く受け取りたい」という気持ちが強くなり、争いにつながりかねません。
2つ目は、引き継ぐと重荷になる財産です。古い建物や処分しにくい田畑、空き家になりそうな家などは、管理の手間や費用がかかるうえ、必要なときに売却できない可能性があります。ただし、築年数だけで良し悪しは決まりません。古い建物でも、立地が良く、改修によって収益を高められるなら残す価値があるかもしれない。不動産は、売りたいときに売れるかという「流動性」、安定した収益を生むかという「収益性」、今後の価値を見込めるかという「将来性」の3つの視点で見極める必要があります。
3つ目は、納税資金です。優良財産を残したいと思っても、納税に充てる資金が不足すれば、換金しやすい財産から手放さざるを得ない場合があります。その結果、売却しにくく、維持にも費用がかかる財産だけが残りかねません。これら3つの課題を切り離さず、長期的な視点で必要な対策を順に進めていく。それが、私が考案した“相続サイクル”です。
――“相続サイクル”とは、どのような考え方なのか?
相続は、財産を受け取って終わりではありません。受け取った方は、その瞬間から次に渡す側となり、次の相続に向けた準備が始まるんです。まず、受け継いだ財産が、次に受け取る方の将来を支えられるものか、重荷にならないかを見極めます。必要に応じて不動産を修繕したり、資産を組み替えたりして、財産の価値を保ち、可能であれば高めていく。そのうえで、優良財産を守るための納税資金を整え、最後に、ご家族が安心できる分け方を遺言書や家族信託などで形にします。財産が引き継がれるたびに、新たな準備が始まる。こうした流れを世代ごとに繰り返すのが“相続サイクル”です。
4.家族の幸せを地域へと広げる

さらに私たちは、相続をきっかけに、家族の幸せを地域へ広げたいと考えています。相続への備えが整ったら、余剰資金を旅行や外食など、ご自身やご家族の幸せのためにも使ってほしいんです。そして、ご自身やご家族が十分に幸せを感じられたら、地域の課題に取り組む団体への寄付などを通じて、周囲にも還元していく。家族から地域へ、資産と幸せが循環する社会をつくることが、私たちの目標です。
亀島 淳一
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