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経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

農産物に込められた
生産者の思いを伝えたい

 

生産者と共に収穫した農産物を都心部へ

 
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杉田 恐らく、たくさんの失敗を繰り返す中で代々培われてきたノウハウがあるのでしょうね。
 
吉田 はい。また、春いぶきは群馬県の特産品で、水ぶきよりも早くふきのとうが収穫できて、しかも味がいいんですよ。2012年9月に事業を始めてからすぐに、首都圏にある数々の小売店さんに商品を卸すことができましたからね。どの小売店さんも健康食品に対する意識が高いので、そうしたお客様にニーズがあったことに、手応えを感じています。
 
杉田 低価格のものが喜ばれる時代ですけど、御社が提供するような品質が高く健康にもいい食材が注目されるのはいいことですよね。
 
吉田 ありがとうございます。Forest&Mash.Linkという社名には、人と人、生産者と消費者、地方と都市部をリンクさせたいという思いを込めています。消費者に品質の良い農産物を安く提供し、結果としてそれが生産者さんのやりがいにつながればとても嬉しいです。先ほど述べたふきのとうを収穫したのは、80代のお婆さん。前回の出荷時はおよそ1000パックが売れましたが、全てそのお婆さんが摘み取ってくれました。
 
杉田 1000パックぶんも!? かなりの労力だったでしょうね。
 
吉田 茄子や下仁田ネギの収穫シーズンには、私たちも作業を手伝うんですよ。品質チェックにもなりますし、収穫から出荷までのスピードを速め、新鮮な状態を保つことができますからね。安い農産物が出回っている中、当社では多少形が不格好であっても、化学肥料や農薬の使用をできるだけ抑えた、味の良い農産物を出荷するようにしているんです。
 
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フキ畑で。生産者久保田氏(中央)の収穫を河野氏(右端)と手伝う
杉田 私は自分で野菜を栽培しているんです。化学肥料や農薬を使用しないと虫食いや形の不揃いは避けられないですけど、そのぶん、味は格別ですし、何より安全で健康にいいですよね。
 
吉田 農薬を使わない食材のよさを、もっと広めていきたい。そうした思いで、私や古井戸が販売先となる飲食店に直接営業をしています。また当社は 「七宝堂」 というブランドで、地元の酒蔵、聖徳銘醸の酒粕を販売しているんですよ。そのお店の運営を河野が行っているんです。