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スペシャルインタビューSPECIAL INTERVIEW

 

仕事の軸は人に喜んでもらうこと
真面目に取り組み前進していく
元レスリング選手 登坂絵莉

 
小学3年生の頃からレスリングを始め、2013年からレスリング世界選手権を三連覇、2016年のリオデジャネイロオリンピックでは48kg級で金メダルを獲得した登坂絵莉さん。幼い頃からレスリングに携わる中で、この道で生きていこうと決意したのは大学1年生の頃だったという。世界選手権に出る中で、金メダルを獲れると確信したという登坂さんに、当時のご経験や、現在のご活動についてまでたっぷりとうかがった。
 

自身が世界で戦えると確信した

 
大学1年生のときに、初めて出場した世界選手権が私にとって大きなターニングポイントでした。それまでは、自分が世界でどれくらいのレベルなのかがまったくわからない状態だったんです。所属しているチームはみなさん強い方ばかりでしたので、練習では先輩方にまったく勝てず、負けばかり経験していました。
 
でも、世界選手権に出たときに「世界って意外と近い距離にあったんだ」と感じたんです。これからレスリングに一心に打ち込めば、絶対にオリンピックチャンピオンになれるという確信を得ました。オリンピックの金メダルが射程距離に入って、ピントが合った感覚でしたね。幼い頃からレスリングを続ける中で、オリンピックに出ることは夢として持っていました。ただ、心の中では「自分じゃ無理だろう」という気持ちもあったんです。世界選手権で金メダルを獲得したことで、ぼんやりと描いていた夢が、明確な目標となりました。
 
そこから世界選手権を三連覇したタイミングで迎えたリオデジャネイロオリンピックではありましたが、国内予選ではいつ負けるかわからない状況でしたね。接戦の中で決められた代表だったので、出場が決まったときは、安堵感でいっぱいになりました。
 
オリンピックに関しては、もちろん自分の中で特別な思いを抱いてはいたものの、特に大きなプレッシャーを感じることはありませんでした。レスリングは残念ながら、日本ではさほどメジャーな競技ではないので、多くの方々から注目される舞台はオリンピックになります。だからこそ、負けられないという気持ちは持っていたものの、それが自分にとってマイナスなプレッシャーになることはなかったと思います。当時、すでに3回オリンピックチャンピオンとなっていた吉田沙保里さんが、私たちを引っ張ってくださっていることも大きかったと思います。
 
吉田さんは事前に「オリンピックには魔物が住むとよく言うけど、それは自分自身だよ」と教えてくださっていたんです。自分がオリンピックをどう捉えるのかが大事なんですよね。実際に会場に行ってみると規模感は世界選手権とあまり変わりませんし、出場選手も絞られている分、世界選手権より少ないです。「オリンピックだからといって、大きく変わるものはないんだよ」と教えていただいていたことで、余計な緊張をせずに臨むことができました。
 
 
 
 
 

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