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スペシャルインタビューSPECIAL INTERVIEW

 

立ち止まることなく
フィギュアと歩み続ける
プロスケーター 無良崇人

 
フィギュアスケート選手として2014年の四大陸選手権で優勝を飾ったほか、全日本選手権でも好成績を残し続け、2018年に競技を引退した無良崇人さん。現在はプロスケーターとしてアイスショーへの出演をメインに、試合の解説やコーチの活動、さらにはモーターレースなど活躍の幅を広げている。そんな無良さんにインタビューし、競技から離れたことで感じたフィギュアの楽しさなどをうかがった。
 
 

引退後に感じたフィギュアの楽しさ

 
僕は現役の頃からもともとアイスショーに出演するのは好きだったんですよ。でも、引退してから出演するようになって、当時は演技に対する意識が足りていなかったなと思うようになりました。競技に出ていると、どうしてもジャンプなどの技術的な部分への意識が高くなります。表現に対する意識ももちろんあったものの、プロスケーターとして出演している今になって振り返ってみると、足りていなかったなと感じますね。
 
アイスショーにおいて一番重要なのは、曲の良さや内容をどれだけ表現できるかです。そこに対する考え方が、引退後に大きく変わりました。現役時代は点数の取り方に意識がいきがちだったのが、現在は観に来てくださる方にどのように楽しんでもらえるかを考えるようになったんです。演技でお客さんを引き込み、「今日は観に来て良かったね」と言って帰ってもらうことがモチベーションになっています。
 
ここ数年は浅田真央ちゃんが座長を務める「浅田真央サンクスツアー」に参加させてもらっていました。その中で、今まで滑ってこなかった曲調などにも挑戦するようになったんです。フィギュアスケート選手は誰しも、得意な曲調やジャンルがあります。自分で得意だと感じていたもの以外のジャンルを演じることで、演技の幅が広がってきたのかなと思っています。苦手だと思って避けるのではなく、挑戦することで新たな表現が身につくし、とても勉強になるなと実感しましたね。
 
そのほか、解説の仕事もいただくようになりました。現役の頃に先輩の方々が解説されているのを見て、難しそうな仕事だなというイメージは持っていたんですよ。実際に自分でやってみて、どのように選手それぞれの持ち味や良い部分を解説する中で引き出せるのかと悩みましたね。
 
僕自身、先輩の方々に解説を通じて良い部分を伝えてもらっていたので、同じようにやろうと心がけています。ただ、フィギュアは曲が流れている中で試合が行われるので、あまりしゃべり過ぎると、観ている方が選手の演技に集中できなくなってしまいますよね。そういったバランスも意識しているんです。
 
 
 
 
 

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