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スペシャルインタビューSPECIAL INTERVIEW

 
俳優として長年最前線で活動を続けている市村さん。そのために必要な要素についてうかがった。
 
 

イマジネーションを大切に

 
芝居をするうえで、僕が大切にしているものの一つにイマジネーションがあります。特に声優のお仕事をした際には、「市村正親」の声ではなく、その役の声を想像して演出する必要があります。「ドアノブが喋るとしたらどんな声?」「消えかけの蝋燭だったら?」と、自分の中のイマジネーションを絶やさないようにしています。だから、生活のすべてが経験や体験として糧になるんです。俳優の仕事をしていると、人生において無駄なものはひとつもないのだと実感しますね。
 
子どもが生まれたことも、大きな経験でした。演技の本質のようなものが、多少見えてきたと感じることもあります。子どもがいることによって、初めて役に投影できる気持ちがあるんですよ。例えば、子どもが旅立っていくシーンがあったとすると、そのときに不安に思うのか、意気揚々と送り出すのか。そういった気持ちがよりリアルにイメージできるようになりましたね。
 
子育てもすべてが楽しいですよ。子どもと朝目覚めるのも、一緒にご飯を食べるのも、バスに乗って出かけるのも、叱ることも楽しんでいます。そのすべての経験が、また仕事につながるんです。子どもたちのおかげで、日々、新しいことに出会えています。子どもって、ああ言えばこう言うから、本当におもしろい(笑)。
 
 
 
<インタビュー・文 中野夢菜/写真 Nori>
 
 
市村正親(いちむら まさちか)
1949年生まれ 埼玉県出身
 
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1973年、劇団四季の『イエス・キリスト=スーパースター』でデビューを飾る。1988年には『オペラ座の怪人』日本初演にて主演のファントムを務め、同作で披露した曲で1989年のNHK紅白歌合戦にも出場。ミュージカルやストレートプレイ、一人芝居などさまざまな舞台に出演している。2019年1月15日より上演される『ラブ・ネバー・ダイ』でファントムを務める。今後は、舞台『ドライビング・ミス・デイジー』、『スクルージ』、NHK正月時代劇「家康、江戸を建てる」などが控えている。
 
 
 
(取材:2018年11月)

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