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経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

熟練の技で金属部品加工
音叉の開発でさらに躍進

 

遊び心も大事につくりたいものをつくる

 
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自社ブランド輝響の製品
山田 まさに職人として理想的な性格だと思いますね。それでは、あらためて注目の輝響について教えてください。自社ブランドの商品を立ち上げた理由は?
 
三輪 知り合いに女性の整体師さんがいて、施術前に利用者様の気を整えるために音叉を使っていたんですよ。「音叉なら私にもつくれる」と思い、自作して誕生日にプレゼントすると、とても喜んでくれました。これがきっかけで輝響というブランドで音叉やさまざまな金属製品の開発を始めました。商標登録や意匠登録も取得済みの輝響は、ありがたいことに口コミで評判が広まっているところなんですよ。
 
山田 楽器の調律に使うのはもちろんのこと、心地良い音で心を癒してくれる音叉は、お部屋のインテリアにもぴったりですね。デザインのセンスが抜群ですよ。
 
三輪 ありがとうございます。ものづくりには遊び心も大事だと考えていまして。部品の製造でお客様の注文にお応えするだけでなく、自分がつくりたいものをつくっていくことも重要だと思うんです。
 
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山田 確かに三輪社長のおっしゃるとおりですよ。産業部品の仕事ではエンドユーザーの顔を見ることができません。一方、一人ひとりのために心を込めてつくり上げる輝響の製品なら、お客様の存在が一気に身近になり今までとは違う喜びを実感できますよね。
 
三輪 本当にそのとおりです。お客様からさまざまなご要望をいただき、何とかしてその期待に応えようとする苦労は私にとっても新鮮なんですよ。一般の方とつながることで勉強にもなりますし、普段はなかなか感じることができない感動が湧き上がってきます。
 
山田 その感動を味わい続けるためにも、今後は後進を育てなければなりませんね。マルサン精工株式会社さんの人材育成について教えてください。
 
三輪 現在、弊社のスタッフは私一人なんですよ。以前は社員がいたこともあり、今も人づてに人材を探しているところです。若手を育てたい気持ちは大いにあります。でも、厳しい仕事の中でやりがいを感じてもらうことの難しさに直面しているのが現実です。金属加工の仕事は、未経験から一通りの技術を覚えるまでに最低でも1年。一人で何でもできるようになるには3年はかかります。