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経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

児童養護施設が取り組む “ふつう”の子育て!
社会福祉法人甲賀学園/鹿深の家 副施設長 堺稔

 
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インタビュアー 原田伸郎(タレント)
原田 滋賀県甲賀市にある社会福祉法人甲賀学園さんにお邪魔しています。お話をうかがうのは運営する児童養護施設「鹿深の家」の堺副施設長です。まずは甲賀学園に入職するまでの歩みを教えてください。
 
 当法人は、廃校になった中学校の跡地を自治体から譲り受け、1962年に児童養護施設の運営が始まりました。児童養護施設とは児童福祉法に基づき設置された非行や虐待などにより、家庭で暮らせなくなった子どもが入所し、家庭復帰あるいは社会に自立するまで支援する施設です。私が鹿深の家に入職するきっかけは、大学で福祉を学んでいたため、実習でお世話になったことでした。その実習を通して出会った子どもたちの将来を見てみたいという思いと、子どもたちと一緒に大好きなサッカーができる環境が気に入って(笑)、そのまま卒業後の2002年に就職しました。
 
原田 家庭で保護者等と暮らせなくなった子どもたちを受け入れるのが、児童養護施設なんですね。
 
 ええ、施設入所してくる子どもたちの理由はさまざまですが、近年は虐待を理由に児童相談所が家庭で暮らすことが難しいと判断した子どもたちが多く入所してきています。そのような子どもを前に私たち職員は、過去の生活記録を読み込み、デリケートな感情の機微を探りながら、18歳を迎え社会に出てからも通常の暮らしができるよう寄り添った養育を続けています。私たちの願いは子どもたちに「ここが僕のふるさとだ」と言ってもらえる施設にするよう頑張っているんですよ。
 
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原田 繊細なケアが必要な子どもたちと接するために、気をつけていることはありますか?
 
 大人は子育てをする際に「こうしなければならない」という正解を求めがちです。でも、「こうでなければならない」という通り一遍な考え方は、やがて完璧主義へと変化し、正しい子育てだけを追求していき、時に養育者を追い込んでいくことにつながるのではと考えています。子どもたちも職員も生きていれば腹が立つことや悲しくて落ち込むことがあるのが当たり前です。ですから、その気持ちを包み隠さずオープンにして、互いに葛藤を抱えながら子どもと大人が共に暮らしていくことが、私たちのポリシーです。