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経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

品質は魂の言葉を胸に 溶接加工で輝くプロ集団
南熔工業株式会社 代表取締役社長 南太郎

 
プロフィール 石川県出身。祖父の代から続く溶接加工の南熔工業(株)と取り引きのある東京の商社に11年間勤務した後、2008年、折からの不況で業績が思わしくなかった父の会社を助けようと、南熔工業に入社。その後3代目社長に就任する。以後、リーマンショックなど経済界の荒波を幾度も経験するも、飛躍的に業績を持ち直し、さらなる発展に向けて疾走を続けている。【ホームページ
 
 
 
南熔工業株式会社は、溶接技術で現代の名工と認められた職人が創業し、現在は孫であり3代目の南太郎代表取締役社長が率いる会社だ。世界的な建設機械メーカー、株式会社小松製作所のサプライチェーンにおいて機能部品の分野で確固たる地位を築き、その高度な技術力は地元・石川県小松市の枠を超え、国内各地に広がりをみせている。“品質は魂だ”の言葉を胸に、次代のものづくりへ進む同社について、南社長に熱く語ってもらった。
 
 
 

現代の名工から受け継ぐ技術を未来へつなぐ

 
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インタビュアー 畑山隆則(元ボクシング世界王者)
畑山 石川県小松市の南熔工業株式会社さんは、創業から60年余りを数える歴史ある会社だそうですね。工場内のオフィスはとてもおしゃれで、いい意味で昔ながらの鉄工所とは違った雰囲気です。これは南社長のアイデアですか?
 
 はい、この部屋は社内のミーティングなどに使っていて、新しくするタイミングで、私からも注文を出しました。少し遊び心を取り入れたつもりです。
 
畑山 とても素敵です。もともとは南社長のおじい様が始めた会社とお聞きしました。社名にもあるように溶接技術で信頼を勝ち得てきたんですね。
 
 ええ。祖父の仕事ぶりをおぼろげに見ていたものの、幼少の頃はよくわかっていませんでした。ですが、溶接にかけては実に卓越した人物だったようです。ものがない時代に、溶接作業で母材の接着に使う棒、溶接棒を自ら工夫してつくっていたと、最近になって取引先の2代目の方が教えてくれました。私が大学を出てすぐに祖父は亡くなりましたが、その直前、厚生労働省から現代の名工として表彰されています。
 
畑山 偉大なおじい様からお父様へ、そして現在の南社長へと、代々受け継がれてきた技術力は貴重ですね。