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経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

地盤改良工事を軸に
人との出会いで事業拡大

 

天然砕石パイル工法の地盤改良工事

 
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八木 ものづくりに興味を持っていた前田社長が、最初に選んだ道はなんだったのでしょう。
 
前田 「これからは電気の時代だぞ!」と父に勧められて工業高校の電気科に進学し、卒業後は電気設備の工事をする会社に就職しました。電気工事にもいろいろな種類がある中、私が入社した会社で手がけていたのは、ビルや施設等の照明やコンセントなどを取り付けたり多数ある線種を配線したりする強電と言われる分野だったんです。
 
八木 電気について学校で学んできた前田社長にぴったりのお仕事だと思います。それに、電気工事のお仕事なら将来の起業を目指せますしね。
 
前田 しかし、当時の私はそれほど独立を意識していなかったんです。そもそも私は、実際の体験を糧にして生きることが多く、頭の中で考えたことだけで動くタイプではありません。電気工事の仕事でも、大切にしてきたのは技術を高めながら日々の現場で懸命に働くことでした。独立し経営者になることはまったく想像していなかったんですよ。ただ、いいも悪いもターニングポイントが重なり、風の吹くまま気の向くまま起業となり、26歳で亀電という会社を立ち上げました。
 
八木 そのときは、強電の分野で独立なさったのですか?
 
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前田 亀電では電話や通信、一部の防災関係など、電圧の低い機器を取り付ける弱電の工事をしました。やがて、別の会社を辞めた人や私の弟も巻き込んで少しずつ事業を拡大するうちに、心境が変化していったんです。
 
八木 前田社長がどのように変わっていったのか気になりますね。
 
前田 今の私は社員がいることでつくられたと思っています。「私の言葉や行動により社員の未来は変わる!」「社員の未来は幸せであってほしい!」「そこには何が必要なのか!」という思いが生まれ、甘味だけでなくから味・うま味・くるし味そして楽し味、たくさんの味を知りました。というのも、あるとき作業がうまくいくと自信がつき、鼻が高くなっていくのが自分でもわかったんです。口調、言葉が強くなるのはよくないと気付き、自分をあらためました。自分を変えないと「亀電に未来はない」と強く思い、そこから折に触れてこの言葉は適正なのかと考えながら話すようになったんです。すると人が集まる会社となり、次のステージへ行く「新たなる挑戦だ!」と感じ、2019年に弊社を創業し地盤改良の仕事を始めました。
 
八木 電気工事と地盤改良はまったく異なる仕事ですよね。どのような勝算があって参入したのでしょう。
 
前田 弊社の地盤改良工事は、愛媛県に本社を置くハイスピードコーポレーション株式会社が開発した「天然砕石パイル工法」を導入しています。コンクリートを使わず天然の砕石で地盤を固めるこの工法は、地震の衝撃に強い、環境を悪化させない、建物を解体しても撤去する必要がないなど、従来の地盤改良工事と比べ圧倒的なメリットがあるんです。