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経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

地域を盛り上げるため 飲食店街をプロデュース
雲雀ヶ丘土地株式会社 代表取締役 吉本幸彦

 
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インタビュアー 今岡真訪(野球解説者)
今岡 本日は大阪市北区曽根崎に拠点を置く、雲雀ヶ丘土地株式会社の吉本社長にお話をうかがいます。こちらでは、人形浄瑠璃や歌舞伎の演目「曾根崎心中」の舞台として有名な露天神社、通称“お初天神”近辺の地域開発やプロデュースを行っておられるそうですね。
 
吉本 はい。弊社ではお初天神へ続く参道、お初天神商店街から東側へ入る路地約60mの飲食街の一画をいわゆる“お初天神裏参道”または“ウラサン”と称し、多彩な店舗が軒を連ねる飲食店街としてプロデュースする事業を行っているんです。この事業を開始してから今年2022年3月で7周年を迎えます。おかげさまで現在、テナントには25店舗が入居してくださっており、実は事業開始以来、1店舗も撤退せずに続いているんですよ。
 
今岡 それはすごい! 最近ではコロナ禍の影響から飲食店の営業を続けるのが厳しいとよく耳にします。それでも事業がスタートしてからこれまで、退去したお店が1店舗もないとは驚きです。
 
吉本 確かに最近は飲食業界に逆風が吹いており、お客様の数もコロナ禍以前と比べると減少しています。しかし、こうして変わらず営業を続けられるのも、ご入居いただいている飲食店経営者様の努力はもちろん、今も足を運んでくださる多くのお客様あってこそだと思いますね。
 
今岡 以前よりも少なくなったとは言え、現在もたくさんのお客さんから支持を集めているわけですか。しかし、それでも客足が途絶えないのには、どんな秘訣があるのでしょう?
 
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吉本 一番の大きな理由は、ウラサンの店舗は同じ飲食店ながら、すべてジャンルが異なることですね。例えば同じバルという業態の店舗でも、お店によってスペイン風だったり、フレンチや中華だったりします。また、和風の店舗でも、おでんを提供するお店もあれば、そばや天ぷら、焼き鳥、串揚げといった各種専門店など、それぞれに特徴を持った店舗ばかりなんです。
 
今岡 なるほど。お店のジャンルが異なれば競合もないでしょうし、気分によって別のお店に行くなど、何度通っても飽きがこなさそうですね。
 
吉本 そしてもう一つの秘訣は、店舗の出店募集をする際に、難波エリアや福島エリアといった大阪の有名な繁華街でおいしいと評判のお店に足を運び、役員で会議をしたうえでお店を厳選したことです。つまり、このウラサンに来れば、大阪中のおいしい飲食店の味をここだけで堪能できるわけなんです。これによってお客様の興味を引き、「まずはウラサンに行ってみよう」と思っていただけると嬉しいですね。