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経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

左官を追求して四半世紀
伝統を受け継ぎ後世へ

 

休み時間も先輩職人の仕事を見て学んだ

 
glay-s1top.jpg 温泉施設での施工事例。釜戸の左官も手がけた
温泉施設での施工事例。釜戸の左官も手がけた
鎮西 お父様の背中を追って左官職人の修業をスタートさせた小迫社長にとって、師匠としてのお父様はどんな存在でしたか?
 
小迫 親父は昔ながらの頑固で一途な職人ですので、厳しかったですね(笑)。私が職人の世界に入った途端に、「お前と俺は職場では他人と思えよ」と言いました。ただ、だからこそ学べた部分は多く、職人としての基本のほとんどは親父から叩き込まれました。先ほどお話しした江ノ島のホテルは、外は塗装前の下地施工で、中は和室の砂壁的な左官だったんです。和室の仕事は特殊技術を兼ね備えた職人でないとさばけないということが、修業を何年も積んでやっとわかりました。
 
鎮西 匠の技術と頑固な性格は、私がイメージしていた職人さんそのものかもしれません(笑)。その後は、ずっとお父様のもとで修業を?
 
小迫 いいえ。親父の勧める会社のもとでも4年ほど修業をしました。ちなみに今年で81歳になった父は、職人としてまだまだ現役ですよ。
 
鎮西 実の息子さんを外修業に出したり、いまだに現役だったりと、格好良いお父様ですね。それにしても、熟練の左官職人になるまでの道のりはハードルが高そうです。一人前と呼ばれるまで、どのくらいの期間が必要なのか気になります。
 
小迫 個人差もあるものの、だいたい8〜9年くらいでしょうか。最初は雑用がほとんどで、ひたすら先輩の現場を見て学び、自分でサンダー掛けという壁の研磨をし、先輩の補助として手元作業を経て、壁を塗るまで3~4年ほどかかりました。父の口癖で「休憩時間に先輩職人の仕事を見て学べ」というものがあります。仕事中に先輩を見て学ぶのは当たり前、休み時間をさらなる学びに使いなさいと。最初はここまでやる世界なのかと面食らう部分もありました。それでも、少しずつ仕事の喜びも見い出せるようになり、5年後くらいには仕事が楽しくなったんです。
 
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鎮西 休み時間までお仕事という厳しい環境を乗り越え、左官の楽しみを見出していったのですね。それにしても、4年も下働きだけとは! 逆に考えると、それだけ見て学ぶ量が多いのかもしれません。
 
小迫 そうですね。材料の理解や水加減など、塗る場所や気候・天候など現場ごとに異なり、覚えることは多いです。しかしながら、しっかり修業を積んだからこそ、あらゆる現場に対応できるようになり、仕事を心から楽しめるようになったのだと思います。非常にやりがいがあり、天性の仕事だと思いますよ。
 
 
 
 

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