
インタビュアー 小倉隆史(サッカー元日本代表)
宇佐美 もともと私は工場の設備を電気的に制御する仕事に就き、その後、プラスチックシートの成形機械を製造する会社に転職しました。わかりやすくご説明すると、コンビニやスーパーでよく見るお弁当の容器を、仕様通りに成形する機械を設計・開発する仕事です。赤外線ヒーター温調制御システムの設計や販売を始めたのもこの会社からでして。やがて独立心が芽生えた私は、社長の理解もいただき、今年2021年2月に弊社を創業しました。
小倉 技術者でありながら販売も手がけるとは見事な対応力ですね。それで、赤外線ヒーター温調制御システムとはどのようなものなのでしょう。
宇佐美 小倉さんも「炭素繊維」という言葉をお聞きになったことがあるかと思います。炭素繊維を布のように織った段階では、強度が弱くペラペラのものにしかなりません。プラスチックを混ぜて炭素繊維強化プラスチックにする必要があるんです。そして、この過程で炭素繊維とプラスチックを適正な温度で加熱するのが、赤外線ヒーター温調制御システムです。
小倉 炭素繊維強化プラスチックはとても頑丈な素材だと聞いています。製造過程では加熱するための細かい調整が求められるわけですね。

小倉 炭素繊維強化プラスチックは、さまざまな分野で使われているそうですね。
宇佐美 そうですね。現在はまだまだコストが高く、金属をプレス加工するように簡単に成形できるものではないことから、航空機や高級自動車などに利用されています。