「気合入っているか?」と尋ねられた子どもが、おもむろにポケットを探り、「入っていません」と答えた。そんな場面を見たことがあると語るのが、幼児園を運営する株式会社バディエデュケーションの菊池剛代表取締役だ。言われたことをストレートに受け取ってしまう子どもたちの素直さに、我々大人はどう接すべきなのか。幼い子を持つ親が抱えるこの命題に、長年幼児教育に携わってきた菊池社長が導き出した答えに迫った。
子どもの前では大人も素直であれ

インタビュアー 石黒彩 (タレント)
菊池 そうですね。スポーツ指導者の専門学校を出て、スポーツインストラクターになるか、ジュニア世代のスポーツコーチになるかを迷った末に、ジュニアの道を選んだんです。最初は小学生にスポーツを教えていたのですが、ある日、幼稚園児を担当することになりましてね。幼い子どもって、こちらの指導通り、素直にやってくれるんですよ。だから、飲み込みも成長も早い。その姿を見ると、楽しくて仕方なくなってきましてね。「なんと楽しい仕事だ!」と思ってから、今に至るわけです。
石黒 そんな思いとやりがいを、どこに感じたのでしょう?
菊池 やはり、子どもたちの素直さですね。「走るときは手を振って」と教えたら、バイバイしながら走るくらい素直なんです(笑)。だからこそ教えがいがありますよね。私自身、運動が好きだから、スポーツと子どもたちへの指導の両方を楽しめるため、仕事の楽しさは2倍。これはもう「たまらない」としか言いようがないですよ。
石黒 子どもの素直さに心が射止められる気持ちはよくわかります! そのいっぽうで、素直なあまり、ごまかせない部分もありますよね。
菊池 間違ったことも飲み込んでしまいますからね。でも、大人がしっかりと説明すれば、子どもたちは理解してくれますよ。
石黒 子どもと接する大人も、素直であることが大切なんですね。