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経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

人の輪を大切にする
新興総合建設会社

 

自分の可能性に懸け、ゼロから起業

 
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名高 そのままお父様の会社に在籍して後を継ぐ、という道もあったでしょう。そんな中、なぜ起業というチャレンジを?
 
吉田 当時は周囲からも後を継ぐべきだと言われました。ただ、私としてはこのまま居心地の良い環境に身を置いていて本当にいいものか、という葛藤がありましてね。それよりもゼロからスタートして、自分で新たに会社を築き上げてみたいと思ったんです。
 
名高 お父様が一代で建設会社を大きくした方だけあって、やはり吉田さんにも同じ独立独歩の血が流れているのでしょうね。
 
吉田 そうかもしれません。ちなみに今当社にいる従業員6人のうち3人は、父の会社から私についてきてくれた人たちなんです。私としては安定している父の会社で頑張ってほしいという思いもあったので、こちらからは声をかけないようにしていました。でも彼らなりに父や私に気を遣って、わざわざ父の会社を一旦辞めて別の会社で少しの間働いてから、当社に来てくれて。今はみんなでこの会社を大きくしようと、一生懸命頑張ってくれています。彼らには感謝の気持ちでいっぱいですね。
 
名高 それだけ吉田さんを信頼し、慕う気持ちがあったのでしょうね。お父様だって、筋を通して一本立ちしたことを喜ばれていると思いますよ。
 
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代表取締役を務める宮堂昌美氏
吉田 ありがとうございます。彼らだけでなく、友人の紹介で土木一級施工管理技士も来てくれたことで、お取引先様からより信頼していただけるようになりました。なので私としては社員みんなに感謝の言葉をかけてやりたいのですが、現場ではつい口やかましく言ってしまうんです。仕事中は照れくさくて素直になれないので、お酒も飲めないのに社員と一緒に、よく居酒屋に行っています。1人だけウーロン茶を飲んで盛り上がりつつ、親交を深めていますよ(笑)。 
 
名高 最近は仕事の場でのコミュニケーションが希薄になっていると言いますし、良い習慣だと思います。それにそうした人付き合いを大事にされているからこそ、信頼関係が深まっていくのでしょう。その性質はきっと、幼い頃から多くの人に囲まれて育ち、人の温かみに触れてこられたからこそだと思いますよ。私も大家族の中で育ってきたので、よくわかります。家族でも会社でも、結局のところ、一番の財産は人ですよね。
 
吉田 そう思います。実はこの会社も、以前からお付き合いがあり、私のことを弟のように可愛がってくださるお隣の会社の社長が、「ここを使えばいいよ」と貸してくれたんです。ゼロからスタートした身としては、本当にありがたい助け船となりました。私はつくづく人に恵まれているな、と感じています。