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経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

古都明日香の金属加工
職人が仕掛ける新名物

 
 
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水野 素晴らしいお考えです。また、2025年からはものづくりの枠を超えて、地域のお土産づくりにも取り組まれているそうですね。この明日香村への思いからなのでしょうか。
 
辻 その通りです。明日香村は世界遺産候補地でありながら、名物や産業が少ないという課題があります。外のものを売っても地域に雇用は生まれません。そこでまず、耕作放棄地の再生に着手しました。地元資源の価値を引き出し、クラフトビールという形で地域産業をつくろうと考えたんです。
 
水野 畑づくりからとは驚きです。どのようなビールなのですか?
 
辻 明日香らしさを醸し出すため、赤しそを使った赤いビール「朱雀」、黒米を使った「玄武」など、四神をテーマに展開しています。地域の色や物語を味わっていただけるよう意識しました。
 
水野 味だけでなく、地域の文化や魅力まで“飲める”。そんな印象を受けますね。他にも、御社ならではのアイテムがあるとか。
 
辻 真鍮の廃材を活用した「熊鈴」や、明日香村をイメージしたトートバッグなどですね。特に革製品は、伝手を活かしてプロ野球選手が使うグローブの革の端材を譲り受け、財布やキーケースなどに加工しています。
 
水野 グローブの革なら品質は間違いないですね。厚みがあってしっかりしているのに、柔らかくて使いやすそうです。端材の活用で環境にも配慮されているのですね。
 
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辻 そうなんです。さらに、縫製は大阪の就労支援施設にお願いしています。彼らが安定した工賃を得て自立できるよう、機材や型紙を提供し、技術指導も行いました。私は、日本の競争力は技術以上に人だと思うんです。誰かのために動ける人間力こそ、未来に残すべき力だと信じています。
 
水野 技術と人間力の両方がそろってこそ未来が開けるということですか。素晴らしいお考えだと思います。最後に、今後のビジョンをお聞かせください。
 
辻 新しい世界遺産のあり方を明日香村から示すことです。観光客が来て終わりではなく、一般的な枠組みでは働きづらい方などが安心して輝ける場所をつくりたいですね。技術と現代の仕組みを調和させ、明日香村に雇用と人を残す。それが一番の恩返しであり、生涯をかけた挑戦だと思っています。
 
水野 ものづくりの確かな技術と人を思うあたたかな眼差し。辻社長の取り組みと行動力は、地域活性化の一つの答えだと感じました。明日香村から世界へ熱意が届くよう、応援しています!
 
 
 
「仕事を楽しむ」とは‥
お客様から感謝の言葉をいただいたとき。お金に執着するのではなく、誰かに感謝される人生であることが大事だと思っています。これからも社会貢献をしながら、心の財産を残していきたいです。
(辻正道)
 

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飛鳥株式会社

〒634-0103 奈良県高市郡明日香村飛鳥388-1

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