大道具・大工・家具製作の技を融合
インタビュアー 水野裕子(タレント)
中村 もともとは大道具の製作会社に勤務し、イベント、テレビ番組などのセットやデパート催事や店舗内装を手がけていました。しかし、大道具は使い終わるたびに解体してしまうので、当時はせっかくつくったものを壊してしまうことに虚しい気持ちになってしまったんです。そこで、作ったものが長く残り続ける家作りに興味を持ち、伝統構法で建築する工務店に弟子入りしました。ただ、周囲の職人たちは高校卒業してすぐにこの業界に入った方が多く、私はその当時30代にして末の弟子であり、まさにゼロからのスタートだったんです。
水野 なるほど。やはり同じものづくりでも、使う技術は異なりますもんね。
中村 おっしゃる通りです。その工務店では3年ほどお世話になり、家一棟を墨付けできるほどにはなりました。その後大工として独り立ちして数件住宅を請け負いましたが、家作りは自分には規模が大きすぎると感じ、徐々に事業内容を変えてもともと好きだった家具作りをメインにしたんです。現在では、これまでの経験の中で得た技術を融合し、家具や什器、イベント向けの木工製作なども行っています。
水野 大道具製作と家作り、そして家具製作と、それら異なる技術をすべて兼ね備えておられる方はなかなかいないと思います。現在の中村代表のお仕事内容が、ますます気になってきましたよ!