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経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

元料理人の経験も活かし
多様な施設に食材を配送

 

食材を“届ける”立場になり世界が開けた

 
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濱中 先ほど、青果店から事業をスタートされたとおっしゃっていましたね。真野社長の現在までの歩みをぜひうかがいたいです。
 
真野 私の実家は西宮市で、祖父の代から続く中華料理店を営んでいました。将来は三代目として店を継ぐつもりで料理の修業をしていたのですが、父の代で閉店することになりまして。料理人以外の道を模索していたところ、知人から声をかけてもらい、卸販売も手がける青果店で働き始めたのが現在の業界へ進むきっかけになりました。
 
濱中 なるほど、ご実家が中華料理店だから、もともと食に関する仕事にご縁はあったのですね。調理の現場にも立っておられたなら、野菜の扱いにも慣れていらっしゃったのでしょう。
 
真野 確かに共通点もあるとはいえ、実際に青果店で働いてみると、当然ながら料理人時代とは別世界でしたね。扱う野菜の種類も数も桁違いで、おかげで視野が一気に広がったんです。次第に品種や特徴への理解も深まり、お客様に「こんな食べ方をするとおいしいですよ」といった提案までできるようになりました。
 
濱中 ただ販売するだけでなく、提案を通じてお客様に価値を届けるおもしろさに気付かれたわけですね。その後、独立して卸販売を始められたと。
 
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真野 実は、最初から卸販売として独立したのではなく、一般のお客様向けの小売店――いわゆる“町の八百屋”としてスタートしました。というのも、独立当初、以前勤めていた会社と同じスタイルで営業をするのは不義理だと考えまして。でも、前職の経験があったからこそ、受け身でお客様を待つ店頭販売よりも、こちらから出向いて商品をお届けするほうが自分には合っているとも感じていたんです。そうした中、御贔屓のお客様から配達の要望が増えたこともあり、独立から約3年後、現在のスタイルへ移行することになりました。
 
濱中 取り扱う商品は同じでも、小売と卸販売では、お客さんへのアプローチの仕方は変わりますからね。お世話になった会社への恩義を忘れない、真野社長の義理堅さが伝わるエピソードです!