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経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

Mグレードの鉄骨製造で
人に投資し自らも学ぶ!

 

イラストや写真を活用した“伝わる”教育

 
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村田 大変だからこそ突き進めた、と。私も自身のボクシング人生は、実は負けの連続だった感覚なんです。毎試合、とても緊張します。ただ、緊張していいし、負けの経験もあっていい、その積み重ねが自分を強くしていくものだと思います。
 
末次 そう言ってもらえると嬉しいです。私もこんな自分についてきてくれた従業員や、今はとても仲のいい関係に戻った父など、大勢の方のお力添えでここまでくることができました。ですから自分はこの会社の創業者ではなく、“1.5代目”のつもりで常に感謝しているんです。
 
村田 素晴らしいお考えです。ところで、株式会社ツバサさんの事業内容は、鉄製品の溶接・加工業だけではないようですね。
 
末次 弊社の業務は建築鉄骨の製造と現場での組み立てです。アパート、ビル、工場、商業施設、病院など、あらゆる建物に使用する鉄骨の製造と施工に対応しています。事業の幅を広げたのは単に請け負える仕事を増やすためだけではありません。組み立ては、一つのスキルを覚えればいいものではないので、働くスタッフにとっても張り合いのある仕事になっていくと思ったんです。
 
村田 工夫の余地もあり、スキルだけではない自分たちで考える力が付きそうです。若い担い手もいらっしゃるんでしょうか。
 
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末次 現在、従業員は18名です。工場加工に携わる10名のうち6名がベトナムとインドネシアの方です。建設業界は人材不足と高齢化に直面していますから、外国から来てくれるのは20~30代の若者ばかりで助かっています。
 
村田 ただ、言葉の壁など悩みも多いでしょう。末次社長の接し方が知りたいです。
 
末次 イラストや写真を活用し、言葉が通じにくくても理解できる方法で仕事を教えています。また、溶接や組み立てなど同じ作業ばかり繰り返すと毎日が単調になってしまうもの。一人ひとりにさまざまな作業を担当してもらうことで、仕事を楽しみながら技術を磨き、母国でのキャリアアップにも役立てられるようにしています。
 
村田 人を伸ばすのはコミュニケーションの力だとよくわかりますよ。
 
末次 おっしゃるとおりです。いくら外国人労働者が多くても、しっかりと技能を教える責任は私にあります。ですから、厳しい指導をしなくても伝わる方法を模索しているんです。また、少しでも手順を間違えると重大な事故につながるのが鉄骨の仕事。そこで弊社は工場に多数のカメラを設置し、作業の内容を後から検証します。これにより、事故を防ぎ生産性も上げるなど、数々の取り組みで品質を担保し会社の信頼性を高めているんです。