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インタビュアー 畑山隆則(元ボクシング世界王者)
田中 musubiでは今、微生物のパワーを活かした「菌ちゃん農法」による農業、認知症カフェ事業などさまざまな社会活動をしています。そのほかGRAIN(グレイン)というデザイン会社では、クリエイティブなものづくりやイベント企画・運営などの事業を展開しています。実は私はかつて介護事業所に勤務した経験があり、介護や福祉事業にずっと関心を持ち続けていたんです。その後、子育てを経て家族との向き合い方に悩んだこともありました。そして母が認知症の状態になってしまい介護について悩みを抱える中、生きづらさを感じるようになったんです。皆誰しも一人で抱えきれない悩みや、モヤモヤした気持ちを持って生きています。そんな思いを打ち明けられるような、気楽に人とつながれる居場所が地域にあればと考えたのが、この事業を始めたきっかけです。
畑山 親が高齢になる私たちの世代にとって、介護は避けて通れない問題だと思います。とはいえ、認知症や介護の知識は少ないし、誰に聞けばいいのかもわかりません。まったくの手探り状態で急に取り組むことになるのは不安ですよね。

畑山 おっしゃる通りですね。多様性という言葉が浸透してきている一方、人と違うことや個性に向ける視点はまだまだ厳しいのが現状です。優しくて温かい地域のつながりがあることで、元気になる人はたくさんいるでしょうね。