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経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

自然の中での活動を通じ
子どもたちの成長を支援

 

子どもたちの自主性を伸ばし成長を促す

 
名高 髙橋理事長は、もともと保育や幼児教育にかかわるお仕事をなさっていたのでしょうか?
 
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髙橋 いえ、以前は建築・不動産業界で働いていたんです。建築会社ではアパートやマンションの営業を担当し、女性でありながら転勤も多く、8年ほど横浜や茅ヶ崎に勤務しました。その後は不動産の仕事に携わり、競売物件の落札・再販に伴う居住者の立ち退き勧告といった業務を手がける中で、正当な行為ではあるものの、債務者の方の境遇を考えると心苦しさもあったんです。居住者に怒鳴られたり、泣かれたりすることも多く、それでも、子どもたちを育てるためには仕方ないと割り切って仕事をしていました。しかし、次第に子どもたちのためにも、胸を張って気持ちよくできる仕事をしたいと思うようになったんです。
 
名高 それで森のようちえんの取り組みをスタートしたわけですね。
 
髙橋 はい。たまたま同窓会で再会した学生時代の友人たちと子育ての話になった際、発達障がいを持つお子さんの教育に悩んでいるという声が多かったんですよ。そこで、自然の中でのびのびと自由に活動することで人間的な成長を促す、森のようちえんに着目しました。
 
名高 森のようちえんでは、具体的にどのような活動をしておられるんでしょうか。
 
髙橋 例えば野山をハイキングしたり、キャンプをしたり、農作業を体験したりといった野外活動を通じて情操教育につなげています。それに加えて、子どもたちの居場所づくりや食育のための、いわゆる子ども食堂としての活動も行っているんです。このほか、自身の命はもちろん友人や大切な人の命を守り、命の大切さを学ぶための防災教室を開催するなど、子育てコミュニティをつくりあげています。
 
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名高 自然の中で活動することで、生活するうえでの知識や生きるための能力を身に着けていくんですね。
 
髙橋 おっしゃる通りです。近年は、若い世代が“指示待ち人間”といわれるほど、自主性が希薄になっている風潮がありますよね。だからこそ、自然の中で木登りをしたり、木にロープをぶら下げてブランコにしたり、自分自身で工夫して遊びを考えることで想像力を育み、自主性を伸ばすことにつなげています。また、ここでは子どもたちは年齢の上下にかかわらずコミュニケーションをとっているのも特徴。互いに知らないことを教え合うことで、自分の意思を伝える訓練にもなっているんですよ。