B+ 仕事を楽しむためのWebマガジン

経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

運送や飲食・災害支援
多彩な事業で恩送り

 

自身が受けた恩を人に届ける“恩送り”

 
glay-s1top.jpg
八重樫 起業したての頃は大変だったとうかがいました。あらためて当時のことを詳しくお聞きしてもよろしいですか。
 
伊藤 はい。経験はそれなりにあったものの、人脈が乏しくて仕事がなく苦しかったですね。いよいよ本格的に行き詰まり、妻や子どもを東京に残して単身、車上生活をしながら仕事を探しに行きました。けれども、取引先に足元を見られるなど、どんどん追い詰められていったんです。
 
八重樫 最初からうまくいくことばかりではないと・・・。とてつもない苦労を経験されたんですね。
 
伊藤 毎日、生きることが辛くてなりませんでした。そんな私を、一緒に車上生活していた犬2匹が心配そうに見ていたんです。ある日、散歩の途中、彼らがどんどん暗い道に歩いていきまして、「暗い道でもとにかく進め!」と教えてくれているんじゃないかと感じたんですよ。それに、たまに東京に戻れば子どもたちが大喜びしてくれて・・・。きらきらとした笑顔がまぶしかったです。そんな出来事が重なり、「自分を信じて進もう」と前向きな気持ちが蘇りました。
 
八重樫 ワンちゃんの励ましやお子さんの笑顔、ご親戚や社長さん、親方たちの助力が、闇を照らす光となったんですね。伊藤社長の背中を見て、後に続こうとする人も多いんじゃないですか。
 
伊藤 順調でなかったからこそ、自分の経験を後進に伝えたいですね。昨日の自分に勝つことをモットーに突き進み、できなかったことができるようになると、見える風景も変わります。てっぺんの景色を、多くの人と分かち合いたいです。
 
八重樫 とても共感できます。ボクシングも、チャンピオンにこそ見える景色がありますからね。
 
glay-s1top.jpg
伊藤 そうですよね。もちろん、災害支援にも引き続き注力したいです。私自身、どん底を味わったからこそ、同じように苦しむ人のお力になれるのではないかと思っております。いざというとき、何かができる自分でありたいです。ですから、今後も事業内容は貪欲に広げていきます!
 
八重樫 事業展開のバックボーンにあるのは、誠意であることがよくわかりました。
 
伊藤 弊社の理念は、Pay it forward“恩送り”です。人から受けた優しさを誰かに届けることを意味します。その思いやりの実践が、恩人の方々への恩返しにもなると信じています。