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経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

伝統技術と最新の知識で
住宅から寺社まで建築!

 

一級建築士・1級建築大工技能士も取得

 
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濱中 それにしても、なぜ、田村社長はそこまで手作業にこだわったのか気になります。
 
田村 好奇心と負けん気だと思います。私はすでにプレカットが当たり前の時代に大工になりましたが、もっとベテランにはさまざまな技術を持つ職人がいて、彼らの仕事を見てあこがれを感じていたんですよ。また、木には1本ごとに個性があり、建材にするときも適した場所があります。木の癖を見抜きながら家を建てるほうが建物としても強くなり、結果仕事も楽しくなりますからね。
 
濱中 そうして修業を積み、独立に至ったのはいつ頃だったのでしょう?
 
田村 2012年に個人事業で独立し、2021年に法人化し弊社を設立しました。現在は住宅・店舗・寺社のリフォーム・新築を中心に、隣接する工場で建材加工や家具の製作も手がけています。
 
濱中 田村社長は、難関の国家資格も保持する貴重な存在ですよね。
 
田村 ありがとうございます。そもそも大工は昔から建築現場を束ねる立場です。ほかの業種についても知識を深める必要があるんですよ。そこで私は一級建築士の資格を取得しました。また、大工工事に必要な技術を認定する国家資格である1級建築大工技能士の資格も持っているんです。
 
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濱中 お客さんや業界の信頼に応える努力を惜しまない田村社長は、伝統的な技術と最新の知識を兼ね備えた大工さんですね。お仕事の幅も次々に広がっているのでは?
 
田村 おかげさまで、昨年からは店舗リフォームのご依頼も増えてきました。中でも印象的だったのはカフェの改装する工事です。運営会社が今年1月15日にリニューアルオープンと決めていたものの、スケジュールや予算の問題でいくつかの工務店に断られ弊社に相談が来たんです。話をお聞きした私は「オープンまでの日にちがなく、事前協議もできず不安でしょうが、弊社を信用してくださるなら協力させていただきます」と宣言し、予算内で完成させ、工期もギリギリで間に合わせることができました。
 
濱中 危機一髪で店舗をオープンできて、お客さんは喜んでくださったでしょうね。
 
田村 ええ。私もこの仕事をきっかけに、隅々までお客様の意向を反映させる店舗リフォームのおもしろさを再認識しました。それに、そのお店がオープンした2週間後にはテレビの取材も入ったんですよ。一件一件お客様に納得していただける仕事は楽しいですし、今もこのお店に昼食を食べに行って、満席になっていると心の底から嬉しくなりますよ。