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スペシャルインタビューSPECIAL INTERVIEW

日本の成長戦略に寄与する
物流企業のイノベーション

 
 
宅急便という “オンリーワン” のサービスで新たな価値を創造し、その成功に満足することなく、市場における “ナンバーワン” のサービスを磨き続けてきたヤマト運輸。2005年には、新たなイノベーションに向けた土台づくりのために持ち株会社へと移行し、ヤマトホールディングスを誕生させた。
 
 

物流を、バリューを生み出す手段へ変える

 
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 こうして第3のイノベーションを目指すために2007年頃から準備を進め、2013年7月に発表したのが 「バリュー・ネットワーキング」 構想です。この構想においては、強みの1つである個人宛、つまりto Cのサービスを進化させるだけでなく、業種や事業規模を問わず、企業発のB toの荷物においても強みを打ち出し、グローバルな舞台で活躍できる総合物流企業になることを目指します。
 政府が日本の経済再生に向けて新たな成長戦略を策定しましたが、当社はこの経済再生に物流面でお役に立てると確信しています。なぜなら、当社が構想を実現するために準備した様々な仕組みを企業の皆様に利用していただければ、物流面からコスト削減に寄与できるからです。あるいは、物の流れの中に新たな付加価値を生むお手伝いができます。
 一般的な企業は、物流を必要経費ととらえているケースが多いと思います。つまり、物流倉庫を、在庫保管や流通加工などのために使うだけのコストセンターと考えていらっしゃる。そもそも日本には、「物流最適化が自社の利益を生み出す手段になる」 という意識があまり浸透していないのです。製造業にかかるコストを削減する意識は世界の一流水準にある反面、製品を出荷してから販売するまでの過程にある物流にさほど目が向けられていなかったと思います。
 そこで当社としては、これから日本企業が国際競争力をつけて成長していくための原資を、物流改革を進めることで得ていただきたいのです。たとえば、日本のものづくりを担う1次産業、2次産業の皆様に当社のサービスを利用していただければ、物流最適化を進めながら国際競争力をつけることが可能となります。このように、物流を “価値を生み出す手段” に変える。つまり、倉庫や物流施設などのコストセンターをプロフィットセンターに変えていく。そうやってお客様の物流改革を支援することで日本経済の成長戦略に寄与するのが、「バリュー・ネットワーキング」 構想なのです。もちろん消費者の皆様にも、これまで以上に利便性の高いサービスを提供していくことは、言うまでもありません。
 
 
 
同社では、「バリュー・ネットワーキング」 構想を立ち上げる6年前から、構想に向けた4つのプロジェクトを推進してきた。アジアにおける宅急便ネットワークの構築、アジアと日本の結節点となる総合物流ターミナル 「羽田クロノゲート」 の建設、国内主要都市間の当日配達を実現する 「ゲートウェイ構想」、そしてアジアへの宅急便翌日配達を可能とする、「沖縄国際物流ハブ」 の活用がそれにあたる。では、各々のプロジェクトが生み出す効果とは?
 
 

国内外で高付加価値サービスを実現

 
 当社では、2000年から台湾で宅急便事業をスタートしました。この海外での宅急便事業の展開を2010年から本格的に推進し、現在は上海、シンガポール、香港、マレーシアで宅急便事業を展開しています。このように、日本全国とアジアに張り巡らせたネットワークを活用しながら、羽田クロノゲートを中心に、ゲートウェイや沖縄国際物流ハブなどを結びつけることで、物流を “バリューを生み出す手段” に進化させます。
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 その一端を担う 「羽田クロノゲート」 は、高付加価値機能を持つ物流ターミナルで、羽田空港に隣接していることでもわかるように、陸海空の輸送モードを素早く使い分けられる地理的な優位性があります。ですから、既存の物流センターとは全く異なるビジネスモデルで使用可能なのです。従来のように在庫を保管するのではなく、常時荷物が動き続け、その過程で 「マージ」 「医療機器の洗浄機能・メンテナンス」 「修理」 「保税・通関」 「オンデマンド印刷・封入」 などの価値を付加しながら、アジアと国内の配送網をスピーディに連動できます。
 「厚木ゲートウェイ」 は、主要都市間の宅急便の当日配達を実現するための関東の玄関口になります。ご存じのように、ネット通販が世界的に広まり小口化多頻度輸送のニーズが高まっていますから、宅急便の需要はまだまだ伸びるでしょう。こうした中、荷物が増えてもコストを上げず、スピートと品質を維持・向上するための配送網を実現するのが、ゲートウェイなのです。2013年8月に稼動を開始した厚木ゲートウェイは、24時間稼働で荷物を仕分けし、さらに届いた荷物を各地の拠点に即座に送り出す機能を有しており、多頻度輸送ができます。今後は中部圏、関西圏に同様のゲートウェイを設立し、東京と大阪間の宅急便当日配達を可能にします。
 そして、「沖縄国際物流ハブ」 はアジア一円への宅急便翌日配達の玄関口となります。既に翌日配達をしている書類などに加え、まずは香港向けに国際クール宅急便を2013年10月にスタートしました。日本の農水産品の翌日配達が実現できれば、1次産業の国際競争力強化にもつながります。また、保税区域内にパーツをストックすれば、アジア各地の工場に欠品が生じても最短で翌日には届けることが可能となり、アジア圏での事業リスク軽減に貢献できるでしょう。
 
 
 
 

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