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瀬戸内の島のリトル台湾で
心綻ぶ「好吃!」なひと時
agon

◆小豆島の町に溶け込む
 唯一無二の台湾料理店

 
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日英台の3ヶ国語に対応し、海外から訪れる人も多いagon
本州を軸に、有人無人、大小さまざまな島で構成されている日本。今年2023年3月には、政府が日本全国の島を35年ぶりに数えなおしたところ、なんと1万4125もの島があることがわかったのだとか! 全国各地に点在する島々の中でも、気候が温暖な瀬戸内の島は、近年は芸術祭なども盛んで観光地として脚光を浴びています。特に、瀬戸内海で2番目の面積を持ち、地中海地方に似た気候を持つ小豆島は「世界の持続可能な観光地TOP100選」に2年連続で選ばれるなど、国内外で話題に。こうした追い風もあってか、島内には個性ある飲食店やスポットも増えているようです。
 
そんな小豆島に、昨年7月、また一つ新しい風が吹き込みました。世界一狭い海峡として知られる土渕海峡のすぐ目の前にオープンした「agon(アゴン)」。小豆島で唯一の台湾料理専門店です。
 
瀬戸内の島と台湾料理。一見するとミスマッチのようにも感じる組み合わせが不思議な化学反応を起こし、オープンから1年で、島内外から国籍問わず多くの人が集うコミュニティへと成長を遂げています。地域に溶け込み、唯一無二の存在として親しまれる小さな台湾料理店、agonの魅力に迫りました。
 
 

◆本場さながらの雰囲気の中
 小豆島ならではの台湾料理を

 
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台湾グルメの代表格、ルーロー飯はagonでも大人気
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ジーロー飯には目玉焼きのトッピングがおすすめ!
agonを営むのは、オーナーの清家真弓さんと、小豆島のローカルプロバスケットチーム「小豆島STONES」でも活躍する、シェフのダニーことスーチェンシンハンさんの日台ご夫婦。店名のagonとは台湾語で「おじいちゃん」を意味し、料理人であるダニーさんの祖父の味を引き継ぎ、さらにアレンジを加えた親しみやすい台湾料理とスイーツを提供しています。
 
台湾現地の店さながらのアジアンムードたっぷりな空間は、ご夫婦が手間暇をかけてDYIしたもの。親族から譲り受けた台湾原住民の装飾品をはじめ、客家花布と呼ばれる花柄の布でつくったファブリックボードなど、小豆島へ移住して店を開くと決めてからコツコツと用意したというアイテムはどれも台湾ならではの華やかさがあり、インテリアの細部まで目を楽しませてくれます。店内では台湾雑貨の販売もしているので、訪ねた際はぜひチェックしてみてください。
 
店内の雰囲気の通り、料理ももちろん本格派。ごま油や醤油など地元・小豆島の特色ある食材も組み合わせることで、agonにしか出せない味わいの料理がそろっています。定番人気のルーロー飯は、味の核となるオイスターソースや揚げエシャロットは台湾のものを、香りの命であるニンニクは、高品質な小豆島産を使用。香りが特徴的な八角は量を抑え、日本人に親しみやすく仕上げました。甘辛くとろける食感の豚肉と白米のタッグは、箸がとまらなくなること間違いなし。同じく定番メニューのジーロー飯のタレは、エシャロットとニンニクを高温の油でじっくりと炒めているので旨味も香りも抜群! 柔らかい鶏肉に絡み、食欲をそそる一品です。また、ルーロー飯をつくる際に豚肉から出た油でつくるオリジナルの台式炒飯も、米一粒一粒が旨味をまとい、後を引くおいしさ。セットメニューにはスープや豆乳の優しい甘さが染みわたる豆花などのデザートもつき、ボリューム満点なので、心ゆくまで本場の「好吃!」を堪能しましょう。
 
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台式炒飯のセットメニュー
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肉汁あふれる小籠包など単品も充実
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手づくりの大根餅はお酒の肴にも
 
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ドリンクホルダーなど、店内では台湾雑貨も販売中
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台湾でもエコバッグとして人気の漁師網バッグの取り扱いも
 
 

◆小豆島から発信する台湾グルメ
 地域に根差し新たな展開も

 
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本場の生タピオカを使ったドリンクはテイクアウトも好調
食事はもちろん、カフェ利用もできるagon。ムチっとした食感が楽しめる本場のタピオカドリンクのほか、夏場は台湾のかき氷、雪花氷も大好評です。ふわふわに盛り付けられたミルク味の氷には隠し味として瀬戸内の塩を加えてあるので溶けにくく、後味の塩味がさっぱりとしたアクセントに。汗をかく時期には、塩分補給にももってこいでしょう。
 
このほか、agonでは季節などに応じて新メニューを続々と提案しています。これから寒くなる時期は、豆板醤とオリジナルのスパイスをブレンドしてピリ辛に仕上げた讃岐うどんの牛肉麺や、小豆島の素麺とごま油を活かし、鶏肉と生姜を煮込んだ滋養たっぷりな温かいスープ麺・マーヨージーなどが登場の予定。さらに、新たに台湾スタイルの鍋ランチや、小豆島産食材を使った新たなスイーツも考案中なのだとか。また、現在は夕方までの営業となっているものの、事前に相談すればディナータイムに蒸し鶏の紹興酒漬けや台湾から揚げといったメニューが並ぶ台湾のコース料理も提供可能とのこと。アルコールも台湾ビールや台湾産ウイスキーのKAVALANなどを楽しむことができるので、気になる人は問い合わせてみましょう。
 
メニューの多くはテイクアウトができるとあって、ドリンクやスイーツを小豆島観光のお供にするのもおすすめです。日常使いに、観光の拠点に――小豆島らしさ溢れる台湾グルメとアットホームな雰囲気で、多くの人を魅了しているagon。島内外の催事出店にも積極的で、今後も通販やワークショップなど、多彩な展開に期待が高まります。小豆島旅行の折には、瀬戸内の小さな台湾に足を運んでみてはいかがでしょうか。
 
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優しい味わいの豆花などスイーツも豊富
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塩気が甘さを引き立てた雪花氷
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讃岐うどんがスパイシーな牛肉麺に
 
 
 
agon
Instagram
https://www.instagram.com/agon_shodoshima/
〒761-4121 香川県小豆郡土庄町渕崎甲1386-8
営業 11:00~17:00
定休日 日~火曜日
 

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