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経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

新しい3Kを社名に込め
荷揚げ業界の現状を変革

 

顧客に必要とされるものなら何でも運ぶ

 
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濱中 それは素晴らしいです。いよいよ、法人化の機運が高まってきたようですね。
 
川田 そうなんです。必死に汗を流して売り上げを伸ばし、後進の指導にも力を入れるうちに、自分でも「これが会社を立ち上げる状況なのだろうな」と気付きました。元請けさんからも「信頼性を高めるため、法人にしてほしい」と要請を受けた私は2022年に弊社を創業しました。現在、戸建住宅からゼネコンさんの仕事まで、さまざまな現場で荷揚げをしています。対応エリアは関西が中心ですが、ご依頼をいただければ遠方にも喜んで駆け付けますよ。先日も福岡県まで行ってきたばかりなんです。
 
濱中 そんなに遠くからもお声がかかるのは見事ですよ。では、それだけの信用を築いた株式会社三啓さんの秘密に迫っていきます。まず気になったのは、社名の由来です。どのような意味があるのでしょうか。
 
川田 建設業界の仕事は“きつい”“汚い”“危険”の3Kと言われていますよね。でも、これらは仕方がないと思うんです。私が嫌だったのは3Kを我慢しても稼げないこと。ですから、私は新しい3Kを考えました。“稼げる” “休暇がある”“希望が持てる”なんですよ。もともと私は、個人事業主の頃から「three K」つまり3Kという屋号で活動していたんです。そして、法人化を機に表記を「三啓(スリーケー)」とあらためました。
 
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濱中 漢字の「啓」には、どのような願いを込めたのでしょう。
 
川田 この字には、“人の道をつくる”“人をいつくしむ”という意味があるんですよ。職人を大切にして、荷揚げ業界の厳しい現状を変えるという強い思いで社名にしました。
 
濱中 川田社長の理想を体現した会社。まさにそれが株式会社三啓さんというわけですね。でも、工事現場に重量物を運び込む荷揚げの仕事は本当に大変でしょう。
 
川田 そうですね。建築資材といっても多種多様ですが、壁や床の材料、ドアなどの建具を中心に、お客様が必要とされるものなら何でも運ぶのが荷揚げの仕事です。例えば、1枚で200kgもある防火扉を1日に50枚も担ぎ上げたことがあるんですよ。ただ、この仕事は筋肉があれば誰でもできるというものではありません。持ち方にコツがあるんです。それは、練習で覚えられるものではなく現場で身に付けるんですよ。